この記事の答え
- 所得税は原則翌年3月15日まで、住民税は原則翌年6月から納めます。
- 特例がない人は、売った年の1月1日で所有5年超なら利益の約20%、5年以下なら約40%を残します。
- 利益1,500万円で特例がなければ、5年超は約305万円、5年以下は約594万円です(目安)。
不動産を売った税金は、いつ払いますか

個人が不動産を売って利益が出ると、売った翌年に税金を払います。所得税は原則として翌年3月15日まで、住民税は原則として翌年6月からです。
代金を使う前に、税金の分を取り分けておきます。令和8年1月に売った人は、所得税を納めるまで1年2か月ほどあるからです。
- 令和9年3月15日まで
確定申告をして、所得税などを納めます - 令和9年6月から
住民税を納めます。自分で納める人は原則4回(6月・8月・10月・翌年1月)、給与から引かれる人は原則12回です - 令和9年度
国民健康保険などに入っている人は、保険料が上がることがあります
いずれも原則です。所得税などとは、所得税と復興特別所得税のことです。住民税の納期限は、市区町村が定めます。
所得税は、申告書を出しても、税務署から納付書や通知は届きません。自分で期限までに納めます。
住民税の納め方は、売却の翌年に来る住民税の記事で解説しています。
売却代金から、いくら残せばよいですか

残す金額の目安は、売却の利益に税率を掛けた金額です。売れた金額の全部に税率を掛けるのではありません。
利益 = 売れた金額 − 取得費 − 売るための費用(仲介手数料など)
取得費とは、買ったときの代金や手数料などの合計です。建物は、持っていた間に目減りした分を差し引きます。買ったときの金額が分からない人は、売れた金額の5%を取得費にできます。
ローンの残りは、この式に入りません。ローンを返して手元のお金が減っても、税金は利益の金額で決まります。
税率は、売った年の1月1日に、持っていた期間が5年を超えるかで決まります。相続やもらった不動産は、原則として前の持ち主が手に入れた日から数えます。
| 売った年の1月1日の所有期間 | 3月15日まで(所得税など) | 6月から(住民税) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 5年超(長期) | 15.315% | 5% | 20.315% |
| 5年以下(短期) | 30.63% | 9% | 39.63% |
表は、特例を使わない場合の令和8年分の率です。令和9年分からは、所得税に上乗せする税の内訳が変わりますが、合計の率は同じです。
計算例
例:会社員のAさん(賃貸に出していた部屋を売却)
Aさんは令和8年中に、10年前に買った部屋を3,000万円で売りました。目減り分を引いた取得費は1,400万円、売るための費用は100万円で、特例は使えません。ローンの残り1,000万円は代金から返しました。
利益:3,000万円 − 1,400万円 − 100万円 = 1,500万円 3月15日までに:1,500万円 × 15.315% = 約230万円 6月から:1,500万円 × 5% = 75万円 残す金額の目安:約305万円ローンと費用を払うと、Aさんの手元には1,900万円が残ります。このうち約305万円は、使わずに残します。
これは一定の前提を置いた目安です。給与の税金は別に計算し、所得控除は給与から引ききるものとしています。
令和8年中に売り、特例を使わない場合の目安です。ほかの所得の税金は含みません。
ポイント
自分が住んでいた家を売った人は、要件を満たせば利益から最高3,000万円を引けます。ただし、税金が0円でも、書類を添えた確定申告が必要です。要件を確かめるまでは、特例がないものとして残しておくと安全です。
代金を先に使うと、どうなりますか

期限までに納められないと、原則として延滞税(利息に当たる税金)が自動でかかります。住民税も、納期限を過ぎると原則として延滞金がかかります。次の3人は失敗の例です。
- Bさん:全部使った ― Bさんは、ローンの返済と次の物件の頭金に代金を使い切りました。翌年3月に納めるお金がありませんでした。
- Cさん:所得税の分だけ残した ― Cさんは3月に納めて、終わったと思いました。6月からの住民税のお金が足りませんでした。
- Dさん:保険料を見ていなかった ― Dさんは国民健康保険に入っています。売った翌年度の保険料が上がりました。
国民健康保険などの保険料は、一部を前年の所得で計算します。料率や上限額は地域で違います。詳しくは売却と国民健康保険料の記事をご覧ください。
注意
お金が足りなくても、確定申告書は期限内に出します。申告が遅れると、税金が上乗せされることがあります。足りないときの手続きは税金が払えないときの記事で解説しています。
どこまでご自身で見込めますか
売ったときと買ったときの契約書があれば、税金の目安を出すところまではご自身でできます。
ご自身でできる
- 売った年の1月1日で5年超かを確かめる
- 利益に税率を掛けて、目安を出す
- 目安の金額を別の口座に移す
個別の判断が要る
- 買ったときの資料がない
- 相続やもらった不動産を売った
- 自宅の特例を使えるか分からない
- 貸していた建物の目減り分の計算
計算の手順はマンション売却の税金の記事、年内の準備は売った年の年末の記事で解説しています。
税理士に頼むと、何が変わりますか

税理士に頼むと、特例と取得費を確かめたうえで、税金の見込みを出せます。見込みが実際の数字に近づくので、残す金額を決めやすくなります。
小松公認会計士・税理士事務所では、次のことを行います。
- 売買契約書などの資料から、利益と税金の見込みを試算する
- 自宅の特例など、使える特例かどうかを判定する
- 買ったときの資料がないときは、取得費の合理的な算定を検討する
- 確定申告書と計算の明細書を作り、電子申告で提出する
ご相談から申告まで、全国どこからでもオンラインで完結します。売る前のご相談もお受けしています。
この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること
制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。
登録者6,900人超
小松公認会計士・税理士事務所 代表
小松 優馬公認会計士・税理士
- お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
- 必要な書類のご案内から申告まで、まるごとお任せいただけます
- 料金は先にお見積り。全国どこでも、オンラインで完結できます
YouTube「税理士 小松ゆうまチャンネル」(登録者6,900人超)で、税金の話を分かりやすく解説しています。動画を見てみる
初回相談は無料です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 契約が12月で引渡しが翌年1月のときは、税金はいつ払いますか?
原則は引き渡した年の分として申告します。所得税はその翌年3月15日まで、住民税はその翌年6月からです。契約の効力発生の日の年分で申告することもでき、その場合は1年早くなります。選び方は引渡日と契約日の記事で解説しています。
Q2. 3,000万円の控除で税金が0円になる人も、お金を残す必要はありますか?
所得税と住民税が0円でも、確定申告は必要です。また、国民健康保険などの保険料の軽減の判定には控除前の利益が入ります。軽減を受けている世帯は、翌年度の保険料が上がることがあるので、その分を見込んでおくと安全です。
Q3. 3月15日より後に、口座から引き落としてもらうことはできますか?
振替納税を使うと、令和8年分の引落日は令和9年4月23日です。事前に依頼書を出す手続きが要り、期限内に申告した分が対象です。残高が足りないと、引落日ではなく3月15日の翌日から延滞税がかかります。
Q4. 税金を払う前に代金を使ってしまいました。どうすればよいですか?
確定申告書は期限内に出します。期限までに半分以上を納め、届出もすると、残りを原則5月31日まで延ばせます(利子税がかかります)。猶予の制度もあります。税金が払えないときの記事をご覧ください。
免責事項
本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法120条・128条・131条、租税特別措置法31条・32条、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法13条、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法5条の9(令和9年1月1日施行分)、地方税法313条・319条の2・320条・321条の3・321条の5・326条・附則34条・附則35条、国民健康保険法施行令29条の7、高齢者の医療の確保に関する法律施行令18条、国税庁タックスアンサー No.2020・No.2024・No.3102・No.3202・No.3208・No.3211・No.3258・No.3302・No.9201・No.9205、国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」「防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収のあらまし」、港区・大阪市・長野市の国民健康保険料の案内の内容を扱っています。売主が亡くなった場合や出国する場合の申告期限、海外に住む人の売却、不動産業として売買する場合、マイホームの軽減税率、3,000万円の特別控除の要件の全部とほかの特例、国や地方公共団体への譲渡などの税率の例外、所得が極めて高い水準の人に対する負担の適正化措置、譲渡損失の扱い、事業用の建物の売却と消費税、住民税の納期限の日付と延滞金の割合、給与から引く方法と自分で納める方法の選び方、国民健康保険料・後期高齢者医療の保険料の金額と料率、会社の健康保険と扶養への影響、延滞税の割合、予定納税、振替納税の手続きの期限、延納の利子税の割合と納税の猶予の要件、弊所の料金は扱っていません。記事中の計算例は令和8年中の売却を前提とした一定の前提を置いた目安であり、実際の税額は取得費・譲渡費用・所有期間・使う特例・ほかの所得によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- 国税庁 主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200042/noufu_kigen.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2020 確定申告https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.3208 長期譲渡所得の税額の計算https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.3211 短期譲渡所得の税額の計算https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm
- e-Gov法令検索「地方税法」(320条・321条の5・附則34条・附則35条)https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
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