この記事のポイント
- 不動産を売った年の申告もe-Taxで出せます。添付書類は書類ごとに出し方が違います
- 譲渡所得の内訳書はデータで出す書類で、PDFでは出せません
- 登記事項証明書は、添付が決められた特例なら不動産番号等で省略できます
- 3,000万円控除は、原則として記載と内訳書などの添付が適用の条件です
まず結論:e-Taxで出せます。添付書類は書類ごとに出し方が違います
不動産を売った年の確定申告も、e-Tax(国税の電子申告)で出せます。
国税庁の確定申告書等作成コーナー(申告書を作るサイト)でも作れます。
3,000万円控除などでは、譲渡所得の内訳書も画面の入力から作られます。
迷いやすいのは、添付書類の出し方です。
内訳書はデータで出し、売買契約書の写しや証明書はPDFで送れます。
登記事項証明書は、不動産番号などを伝えれば省略できる場合があります。

書類ごとの出し方は、データ・PDF・書面・省略の4つです
e-Taxでは、添付書類をデータ・PDF・書面・省略のどれかで出します。
| 書類 | e-Taxでの出し方 |
|---|---|
| 譲渡所得の内訳書 | データ(XML形式)か書面で出す。PDFでは出せない |
| 登記事項証明書 | 不動産番号等の明細書などで省略できる。PDFでも出せる |
| 売買契約書の写し・確認書・証明書 | PDF(イメージデータ)で出せる。書面で出す方法もある |
| 本人確認書類の写し | 添付は不要(作成コーナーのよくある質問) |
イメージデータとは、紙の書類をスキャナやスマートフォンでPDFにしたものです。
e-Taxの一覧では、譲渡の添付書類は、データで出せるものを除きPDFで出せます。
PDFにできない書類の例は、次のとおりです。
電子データ(XML形式又はXBRL形式)による提出が可能な添付書類(例:法人税申告の財務諸表及び勘定科目内訳明細書、所得税申告の青色申告決算書及び譲渡所得の内訳書など)
(e-Tax よくある質問「イメージデータによる提出の対象となる添付書類」)
内訳書は、PDFではなくデータで出す書類です。
ポイント
PDFで出した添付書類は、原本の保存は不要とされています(e-Taxの案内)。
作成コーナーから出すときは、PDFを申告書の送信後に送ります
令和7年分の作成コーナーでは、PDFを送る順番が決まっています。
確定申告書等作成コーナーから所得税の申告書をe-Taxで送信する際には添付書類を同時に送信できませんので、申告書を送信した後に添付書類のイメージデータ(PDF形式)を追加で送信します(追加送信方式)。
(確定申告書等作成コーナー 令和7年分よくある質問)
追加の送信は10回までで、1回あたり14.0MB・136ファイルが上限です。
PDFは、200dpi相当以上・256階調以上で、パスワードを付けずに作ります。
e-Taxソフト(WEB版)などでは、申告データと同時に送る方法も使えます。
送信後は、PDFの受信通知にもエラーがないかを確かめます。
補足
PDFにせず書面で出すときは、受信通知から「申告書等送信票(兼送付書)」を印刷します。添付書類と一緒に、所轄の税務署へ出します(e-Taxのよくある質問)。

登記事項証明書は、不動産番号などを伝えれば省略できます
令和3年7月1日から、必要な事項を伝えれば添付を省略できます。
必要な事項は、土地なら所在と地番、建物なら所在・地番・家屋番号です。
どちらも、代わりに不動産番号(13桁)を伝える方法があります。
譲渡所得の特例では、国税庁の「不動産番号等の明細書」を使います。
登記事項証明書の写しなど、不動産番号の載った書類を出す方法もあります。この場合、明細書は要りません。
対象は、法令で登記事項証明書の添付が決められた特例に限ります。
作成コーナーで内訳書を作らない方は、明細書を手書きなどで作り、別に出せます。
注意
地番や家屋番号は、住居表示(○番○号)とは違います(明細書の注意書き)。不動産番号は、登記事項証明書の表題部などに載っています。
使う特例によって、そろえる書類が変わります
添付書類は、使う特例で変わります。主なものは次のとおりです。
| 特例 | 主な添付書類 |
|---|---|
| 3,000万円控除(措法35条1項) | 内訳書。契約日の前日の住民票の住所と物件の所在地が違うときは、戸籍の附票の写しなど |
| 10年超所有の自宅の軽減税率(措法31条の3) | 上の書類に加え、売った自宅の登記事項証明書 |
| 空き家の3,000万円控除(措法35条3項) | 内訳書(5面も)、登記事項証明書、被相続人居住用家屋等確認書、売買契約書の写しなど |
| 自宅の譲渡損失の特例(措法41条の5など) | 損失の明細書と計算書、登記事項証明書、売買契約書の写し、残高証明書(不要な場合あり)など |
出典は、国税庁「令和7年分 譲渡所得の申告のしかた」32ページです。
措法は、租税特別措置法の略です。
表の登記事項証明書は、写しや不動産番号等の明細書で代えられます(同ページの注)。
空き家の確認書や証明書も、e-Taxの一覧ではPDFで出せる書類です。
書類の全体像は必要書類チェックリストの記事にまとめています。

出し方を誤ると、特例の要件に響くおそれがあります
特例の書類は、出し方を誤ると特例に響くおそれがあります。
3,000万円控除の条文は、申告書への記載に加え、次の添付を条件にしています。
当該譲渡による譲渡所得の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
(租税特別措置法35条12項)
e-Taxで出すときに起こりうる誤りには、次のようなものがあります。
- 内訳書をPDFで送る ― 対象外の書類です。データか書面で出し直し、出し直した日が収受日になります
- PDFの追加送信を忘れる ― 令和7年分の作成コーナーでは、申告書と同時には送れません
- 入力で足りると考える ― 入力で省略できる書類の一覧に、売買契約書や空き家の確認書はありません
- 明細書に住居表示を書く ― 地番や家屋番号とは別のものです
やむを得ない事情を税務署長が認め、書類の提出があれば適用できる規定もあります(同条13項)。
詳しくは3,000万円控除の申告要件の記事をご覧ください。
計算例
例:令和8年中に自宅を売り、特別控除前の譲渡所得が4,000万円(所有期間5年超10年以下)
控除あり 4,000万円 - 3,000万円 = 1,000万円 1,500,000円 + 31,500円 + 500,000円 = 2,031,500円 控除なし 6,000,000円 + 126,000円 + 2,000,000円 = 8,126,000円 差額 6,094,500円令和8年分は、所得税15%、復興特別所得税は所得税額の2.1%、住民税5%です(No.3208)。
軽減税率の特例は使わず、ほかの所得などを考えない一定の前提を置いた目安です。
添付の漏れは、控除の分だけ税額に響くおそれがあります。
ここまではご自身で、ここから先は個別判断です
書類をそろえてPDFにするところまでは、ご自身で進められます。
- 使う特例を決め、国税庁の申告のしかたの一覧で添付書類を確かめる
- 登記事項証明書から、地番・家屋番号か不動産番号を控える
- 契約書の写しや確認書を、200dpi相当以上のPDFにする
- 送信後、受信通知にエラーがないかを確かめる
ここから先は、事情によって扱いが分かれます。
令和7年分の案内では、年間の譲渡契約が4件以上の方は作成コーナーを使えません。
交換・買換えの特例を使う方は、作成コーナーで内訳書を作れません。
手書きの内訳書と計算結果の入力で申告書を作り、内訳書の出し方は送信前に確かめます。
令和8年分の作成コーナーの扱いは、国税庁の最新の案内で確かめます。
内訳書の各欄は内訳書の書き方の記事で扱っています。

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- 内訳書・第三表と、不動産番号等の明細書を作成する
- 申告書を代理で送信し、PDFの添付書類を送る
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よくある質問(FAQ)
Q1. 不動産を売った年の確定申告は、e-Taxで出せますか?
出せます。作成コーナーでは、3,000万円控除などの特例で内訳書も画面の入力から作れます。ただし令和7年分の案内では、年間の譲渡契約が4件以上の方などは作成コーナーを使えません。令和8年分は国税庁の最新の案内で確かめます。
Q2. 譲渡所得の内訳書をPDFにして送ってもよいですか?
e-Taxのよくある質問は、内訳書をイメージデータ(PDF)の対象外に挙げています。対象外の書類をPDFで出すと、データの送信か書面の提出をやり直す必要があります。やり直した日が収受日になります。
Q3. 登記事項証明書は、取り寄せて添付しなければなりませんか?
法令で添付が決められた特例では、令和3年7月1日から不動産番号等の明細書などで省略できます。登記事項証明書の写しを出す方法もあります。地番や家屋番号は住居表示とは違うので、登記事項証明書で確かめます。
Q4. 作成コーナーから送るとき、PDFの添付書類はいつ送りますか?
令和7年分の案内では、申告書を送信した後に追加で送ります。同時には送れません。追加の送信は10回まで、1回あたり14.0MB・136ファイルが上限です。送信後は、受信通知にエラーがないかも確かめます。
免責事項
本記事は令和8年10月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。租税特別措置法35条12項・13項、国税庁タックスアンサー No.3302・No.3208、国税庁「令和7年分 譲渡所得の申告のしかた」32ページ、「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」、「国税関係手続における添付書類の省略に向けた取組について」、e-Taxの「添付書類のイメージデータによる提出について」「イメージデータで提出可能な添付書類(所得税確定申告等)」(令和8年4月1日現在の法令に基づくもの)とよくある質問、確定申告書等作成コーナーの令和7年分のよくある質問と「ご利用になれない方」の内容を扱っています。作成コーナーで作れない内訳書(交換・買換えの特例など)の具体的な出し方、令和8年分の作成コーナーの仕様、令和8年分の確定申告書の新様式、買換え・交換・収用等の特例ごとの添付書類の細目、措置法35条13項の「やむを得ない事情」の具体例、期限後申告と更正の請求での特例の扱い、e-Taxの開始の手続と電子署名、税理士の代理送信での税務代理権限証書などの送り方、令和9年分以後の税率、住民税の申告と納付は扱っていません。記事中の計算例は令和8年中の売却を前提とした一定の前提を置いた目安であり、実際の税額は取得費・譲渡費用・所有期間・使う特例・ほかの所得によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- e-Tax 添付書類のイメージデータによる提出についてhttps://www.e-tax.nta.go.jp/imagedata/imagedata1.htm
- e-Tax イメージデータで提出可能な添付書類(所得税確定申告等)https://www.e-tax.nta.go.jp/tetsuzuki/imagedata/shinkoku01.pdf
- e-Tax よくある質問「イメージデータによる提出の対象となる添付書類には、どのようなものがありますか。」https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/imagedata/03.htm
- 【確定申告書等作成コーナー】所得税の添付書類のイメージデータによる提出について(令和7年分よくある質問)https://www.keisan.nta.go.jp/r7yokuaru/cat1/cat16/cat163/cid945.html
- 国税庁 譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/syotoku/pdf/r07_joto_17.pdf
不動産を売った年のe-Tax申告は、添付書類の確認から始めませんか
e-Taxで出すときは、内訳書はデータで出し、証明書や契約書の写しはPDFで送れます。登記事項証明書は、添付が決められた特例なら不動産番号等で省略できます。3,000万円控除は、原則として申告書への記載と内訳書などの添付が適用の条件です。代表税理士が、使う特例の確認と添付書類の洗い出しから担当します。内訳書と申告書の作成、代理送信と受信通知の確認まで行います。売買契約書をお手元に、60秒見積りで料金をご確認のうえお申し込みください。
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