確定申告

医療ローン・分割払いの医療費控除はどの年に入れる?
高額な治療で確かめること

この記事の答え

  • 医院への分割は払った年、信販会社が立て替える歯科ローンは立替払をした年の控除に入れます
  • 歯科ローンで払った人は、返済の年ごとに入れません。金利と手数料も対象外です
  • 例:治療費120万円を歯科ローンで払うと、控除額は110万円です(一定の前提の目安)
小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

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支払いの方法で、医療費控除に入れる年が変わります

医療ローンや分割払いの治療費は、払い方で入れる年が変わります。医院に分けて払う分は、実際に払った年に入れます。信販会社(ローン会社)が立て替える歯科ローンは、立替払をした年(ローン契約が成立した時)に入れます。返済の年ごとには入れません。

払い方で入れる年が変わります
払い方で入れる年が変わります

医療費控除の対象は、その年中に払った医療費です。治療が終わっていても、まだ払っていない分は、実際に払った年の対象です。制度の基本は医療費控除の記事をご覧ください。

図1 あなたの治療費は、どの年に入れる?
質問1 医院や病院へ直接、分けて払っていますか?
はい払った分を、払った年に入れます
いいえ質問2へ進みます
質問2 信販会社が医院へ立て替えて払い、あなたが分割で返していますか?
はい立て替えた金額を、立替払をした年(ローン契約が成立した時)に入れます
いいえ銀行などから借りて払ったなら、医院へ払った日の年に入れます

カードの分割払いは、よくある質問をご覧ください。

国税庁の資料が説明する立替払は、歯の治療の歯科ローン(デンタルローン)です。不妊治療などの医療ローンも、仕組みが同じなら、同じ考え方になると考えられます。

返済のたびに入れると、年ごとに申告を直すことになります

歯科ローンは立て替えた額で考えます
歯科ローンは立て替えた額で考えます

ローンの分を返済の年ごとに入れると、正しい年の控除が少なくなり、ほかの年の控除は多くなります。

計算例

例:令和6年に歯の治療費120万円を歯科ローンで払ったBさん

立替払は令和6年で、返済は令和8年まで毎年40万円です(金利と手数料は別)。治療費の全額が控除の対象で、ほかの医療費と保険金はなく、所得は200万円以上とします。

正しい令和6年分:120万円 − 10万円 = 110万円返済の年ごと:40万円 − 10万円 = 30万円(各年)

例は一定の前提を置いた目安です。

図2 Bさんの控除額(3年の合計)
正しい額
110万円
年ごと
90万円

年ごとだと10万円を3回引くので、20万円少なくなります。

Bさんが返済の年ごとに入れると、令和6年分は控除が80万円少なくなります。この年は、更正の請求(納めすぎた税金の還付を求める手続き)をします。期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。還付を受けるための申告(還付申告)をした年は、原則として提出した日から5年以内です。

令和7年分は控除が30万円多くなるので、修正申告(申告のやり直し)をします。足りない税金と、利息にあたる税金を納めます。税務調査の事前通知の前に自主的に直せば、原則として上乗せの税金はかかりません。

これから申告する令和8年分には、ローンの分を入れません。手続きの全体は確定申告を間違えたときの記事をご覧ください。

注意

Cさんは、歯科ローンの返済額の合計を医療費に入れました。金利と手数料は対象にならないので、控除が多くなります。

保険金や助成金は、治療費を払った年の計算で差し引きます

保険金や助成金は、対象の医療費から差し引きます
保険金や助成金は、対象の医療費から差し引きます

保険金や助成金を受け取るのが翌年でも、差し引くのは治療費を払った年の計算です。申告の時に額が決まっていなければ、見込みの額を差し引きます。

差し引くものには、入院費給付金などの保険金や、健康保険の高額療養費があります。自治体が条例などに基づいて出す不妊治療費の助成金も同じです。差し引くのは、給付の対象になった医療費の額までです。

Eさんは令和8年に不妊治療費80万円を払い、その助成金30万円を令和9年に受け取りました。令和8年分の控除額は、80万円 − 30万円 − 10万円 = 40万円です。ほかの医療費がなく、所得が200万円以上という前提を置いた目安です。

差し引き忘れたときは、修正申告で直します。見込みと額が違ったときは、修正申告か更正の請求で直します。

治療か美容かで、対象になるかが分かれます

ローンで払っても、美容のための費用は対象になりません。対象は診療や治療の対価で、病状などに応じて一般的にかかる水準を著しく超えない部分です。

図3 高額な治療の線引きの例

対象になる例

  • 金やポーセレンを使った歯の治療(保険がきかなくても)
  • 年齢や目的からみて必要と認められる歯列矯正(発育段階の子どもの不正咬合など)
  • 医師による不妊症の治療費、人工授精の費用

対象にならない例

  • 容姿を美化するための歯列矯正(就職や結婚を考えた矯正など)
  • 容姿を美化するための整形手術
  • 一般的な水準を著しく超える特殊な治療

インプラントを名指しした説明は、国税庁の資料に見当たりません。国税庁は、歯の治療に一般的に使われている材料なら、保険がきかず高額でも対象としています。インプラントも、この基準に照らして治療の内容ごとに確かめます。

確認まではご自身で、その先は個別判断です

契約書と領収書を年ごとに整理します
契約書と領収書を年ごとに整理します

ご自身で進められるのは、契約書と領収書を年ごとに整理するところまでです。次の点は個別判断です。

  • 歯列矯正やインプラントが治療にあたるか
  • カードで払った分を、どの年に入れるか
  • 保険金が2年分の治療費を補うときの分け方
  • 過去の年を、どの手続きで直すか

税理士に頼むと、入れる年と差し引く額の確認から、申告書の作成と電子申告までを任せられます。小松公認会計士・税理士事務所では、代表(公認会計士・税理士)が最初から最後まで作成します。

料金の目安

基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。修正申告と更正の請求も、確定申告と同じ料金体系です。複数年分は、ご相談時にご案内します。

例:会社員の人の1年分なら、給与所得・医療費控除・その他控除セットを各6,000円足します。合計は50,000円(税込55,000円)です。65,000円に満たないので、最低料金の65,000円(税込71,500円)になります。

ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。

この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること

制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。

小松公認会計士・税理士事務所 代表 小松優馬 登録者6,900人超

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よくある質問(FAQ)

Q1. クレジットカードの分割払いは、どの年に入れますか?

国税庁の資料は、見出しに「クレジット」の語がありますが、本文の説明は歯科ローンだけです。カード会社が立て替える形なら、歯科ローンと同じ考え方になると考えられます。年末に使った分などは、利用明細で個別に確かめます。

Q2. ローンを使ったので、医院の領収書がありません。どうすればよいですか?

国税庁の資料では、歯科ローンの契約書や信販会社の領収書を、支出を証明する書類として保存します。医療費の領収書は、確定申告の期限などから5年間、提示や提出を求められることがあります。

Q3. 体外受精の費用は、医療費控除の対象ですか?

医師による不妊症の治療費は対象です。東京国税局の平成17年の回答事例は、東京都の助成金を差し引くかの照会です。体外受精と顕微受精の医療費が対象である前提で、差し引くとしています。

Q4. 以前ローンで払った治療費を申告していません。今からでも申告できますか?

確定申告の義務がない人の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間できます。令和8年中なら令和3年分から出せます。すでに申告した年に足すときは、更正の請求(原則5年以内)を使います。

免責事項

本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法73条、所得税法施行令207条、所得税基本通達73-2〜73-4・73-8〜73-10、国税通則法23条・70条、国税庁タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」・No.1122「医療費控除の対象となる医療費」・No.1128「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」・No.2026「確定申告を間違えたとき」・No.2030「還付申告」・No.9205「延滞税について」、質疑応答事例「未払の医療費」「借入金で支払った医療費」「金やポーセレンを使用した歯の治療費」「歯列を矯正するための費用」「不妊症の治療費・人工授精の費用」「支払った医療費を超える補填金」「医療費を補填する保険金等が未確定の場合」「地方公共団体が支給する少子化対策のための助成金等の所得税法上の取扱い」、東京国税局の文書回答事例「「東京都特定不妊治療費助成事業」に基づき支給される助成金に係る医療費控除の取扱いについて」(平成17年3月10日)、国税庁「医療費控除を受けられる方へ」、弊所の料金表の内容を扱っています。治療の前に一括で払う前払い、ローンの名義人と治療を受けた人が違う場合、家族の医療費の合計、控除額が所得を上回る場合、所得が200万円未満の人の基準、控除額の上限、保険金を各年に分ける計算、セルフメディケーション税制との選択、減る税金の額、住民税の手続き、税務調査の事前通知の後に直すときの上乗せの税金の割合、当初の申告が期限後申告だった場合の加算税は扱っていません。インプラントを名指しした説明と、カードの分割払いの年を述べた説明は、国税庁の資料に見当たりません。そのため結論を示していません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の金額は治療の内容や契約によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・出典

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医療ローンや分割払いの治療費は、入れる年と差し引く額で控除額が変わります。弊所が、ローンの契約書や領収書をもとに年ごとの金額を確かめ、確定申告書の作成と電子申告まで担当します。過去の年の修正申告や更正の請求もお引き受けしています。全国どこからでもオンラインで完結します。料金は60秒見積りで確かめられますので、ご依頼をご検討ください。

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小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。判例ベースの適正申告・節税にこだわり、お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者7,000人超)。

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