確定申告

還付申告はいつまで?
5年さかのぼれる人と、更正の請求になる人

この記事の答え

  • 確定申告の義務がない人の還付申告は翌年1月1日から5年間。令和3年分は令和8年12月31日までです。
  • 申告書を出した年の納めすぎは更正の請求です。書かなかった住宅ローン控除は原則足せません。
  • 控除額40万円・税率10%の人は、所得税と住民税で約8万1千円減る目安です。
小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

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還付申告は何年前までさかのぼれますか

手帳を開く手と置き時計
期限は年分ごとに決まります

確定申告の義務がない人は、その年の翌年1月1日から5年間、還付申告を出せます。還付申告とは、納めすぎた所得税を取り戻す申告です。

表1 年分ごとの期限

申告する年分出せる最後の日
令和3年分令和8年12月31日
令和4年分令和9年12月31日
令和5年分令和10年12月31日
令和6年分令和11年12月31日
令和7年分令和12年12月31日

令和9年1月1日になると、令和3年分の還付は受けられません。

税務署の窓口は12月29日から閉まります。e-Taxも同じ日から令和9年1月3日まで止まる予定です。

12月29日以後は郵送で出します。消印の日が提出日です。令和3年分は早めに準備してください。

確定申告の期間(原則2月16日から3月15日)を待つ必要はありません。令和8年分の還付申告は、令和9年1月1日から出せます。

失敗の例

国税庁は、令和2年分の申告書を令和8年1月31日に出す例で、還付は認められないと答えています。令和2年分の期限は、令和7年12月31日だったからです。

どんな人が、いくら戻りますか

源泉徴収票と医療費の領収書と電卓
源泉徴収票と控除の書類を確かめます

戻るのは、給与や年金から引かれた所得税などが、納めすぎになっている人です。次の人などです。

  • 年の途中で退職して就職せず、年末調整を受けていない人
  • 医療費控除、寄附金控除、雑損控除(災害や盗難の損失)を受ける人
  • 住宅ローン控除を年末調整で受けていない会社員
  • 収入が年金だけで、生命保険料控除などを受ける人

引かれた所得税や前もって納めた所得税がない人は、申告しても戻りません。源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円の人などです。預貯金の利子から引かれた税金も戻りません。

会社員のAさんは、令和4年に医療費を50万円払いましたが、申告していません。保険金などの受取りはありません。Aさんの控除額は、50万円−10万円=40万円です。

Aさんの所得税の税率が10%なら、戻る所得税は約4万1千円です。所得税だけでなく、令和5年度の住民税も約4万円減ります。合計は約8万1千円です。

図1 控除額が40万円の人の、減る税金
所得税(税務署から戻る)住民税(翌年度分が減る)
税率5%
約6万円
税率10%
約8万1千円
税率20%
約12万2千円

控除額の全部に同じ税率がかかる場合の、一定の前提を置いた目安です。所得税に復興特別所得税を含め、住民税は10%で計算しました。納めた所得税より多くは戻りません。

所得が200万円未満の人は、10万円の基準が変わります(医療費控除の記事)。

申告済みの年や、税金を納める人はどうなりますか

赤いペンで書類を見直す人
申告書を出した年は手続きが別です

還付申告を出せるのは、その年の確定申告書をまだ出していない人です。図2で手続きを確かめてください。

図2 あなたの手続きはどれ? 30秒チェック
質問1 その年の確定申告書を、もう出しましたか?還付申告も含みます。年末調整だけの人は「いいえ」です。
はい更正の請求(払いすぎた税金を直す手続き)へ
いいえ質問2へ進みます
質問2 申告すると、税金は戻りますか?納めた所得税が、1年分の所得税より多いと戻ります。
はい還付申告です。翌年1月1日から5年間出せます
いいえ還付申告ではありません。確定申告の義務を確かめます

原則3月15日までなら、確定申告書を出し直せます。先の申告の還付の処理が済むと、出し直せません。書かなかった住宅ローン控除は、原則として更正の請求で足せません。10万円を超える青色申告特別控除などは、提出の期限が条件です。還付申告でも原則3月15日までに出します。

副業の所得が20万円を超える会社員や個人事業主などで、税金を納める人は別です。原則として翌年3月15日までに確定申告が必要です。遅れると、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。

確定申告書を出した年に税金を納めすぎたときは、更正の請求で直します。医療費控除や寄附金控除の書きもれは、税額が変わるならこの手続きの対象です。

所得の書きもれで税金が増えるときは、修正申告という別の手続きです。更正の請求の期間は原則として申告期限から5年以内で、還付申告をした年は提出した日から5年以内です。

失敗の例

会社員のBさんは、医療費控除だけを書いた還付申告を出し、住宅ローン控除を書き忘れました。

住宅ローン控除を書かずに確定申告書を出した年は、更正の請求で足せません。この控除は、確定申告書に書くことが条件だからです。

国税庁の作成コーナーの案内と、国税不服審判所の平成19年2月19日の裁決も同じ内容です。税務署長がやむを得ない事情を認めたときは別です。

どう進めますか。どこまで自分でできますか

資料を見せて説明する相談の様子
複数の年分は手続きを分けて進めます

年末調整を受けた給与だけの人が、医療費控除を足す申告なら、ご自身でも進めやすい形です。

図3 還付申告の流れ
  1. 年分ごとに源泉徴収票と控除の書類を集める
  2. 年分ごとに申告書を作る。副業などの所得も書く
  3. 提出時の住所地の税務署へ出し、還付を待つ

過去の様式は国税庁のページにあります。還付の目安は、e-Taxで3週間程度です。書類の不備、書面の別送、複数回の申告があると長くなります。書面は、2・3月で1か月から1か月半程度です。

次の人は、ここから先が個別判断です。

  • 副業・株式・不動産などの所得もある人
  • 確定申告の義務があったかもしれない人
  • 申告した年と、していない年が混ざっている人
  • 住宅ローン控除を書かずに申告した年がある人

小松公認会計士・税理士事務所では、5年分の資料を見て、年分ごとに還付申告か更正の請求かを分けます。副業などの所得も含めて計算し、電子申告まで行います。

料金の目安

基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。

例は、給与所得・医療費控除・その他控除セットの1年分です。32,000円+6,000円×3=50,000円(税込55,000円)です。65,000円に満たないため、最低料金の65,000円(税込71,500円)になります。計算例は一定の前提を置いた目安です。

更正の請求も同じ料金体系です。複数年分は、ご相談時にご案内します。ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 住宅ローン控除を申告し忘れた年はどうなりますか?

確定申告書を出していない年は、条件を満たせば5年以内の還付申告で受けられます。出した年は更正の請求で足せません(税務署長がやむを得ない事情を認めたときは別です)。次の年分からは、確定申告をするなど条件を満たせば受けられます。

Q2. 還付申告をすると、住民税も下がりますか?

原則として住民税にも反映され、住民税の申告を別に出す必要はありません。確定申告書のデータが税務署から市区町村へ送られるからです。古い年分の精算の時期や方法は、その年度の1月1日に住んでいた市区町村に確かめてください。

Q3. 副業の所得が20万円以下でも、還付申告に書きますか?

はい。20万円以下で確定申告が不要になるのは、申告しない場合の話です。還付申告をするときは、20万円以下の所得も書きます。その分、戻る税金が減ることがあります。

Q4. ふるさと納税のワンストップ特例を使った年は、還付申告でどうなりますか?

確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。申請した分も含めて寄附金控除を書いてください。書き忘れたら更正の請求で足せます。所得税等の額が変わらないときは、市区町村にご相談ください。

免責事項

本記事は令和8年11月時点の法令・国税庁の公表資料(国税不服審判所・総務省の公表資料を含みます)に基づく一般的な解説です。還付申告ができるか、いくら戻るかは、その年分の所得・控除の内容によって異なります。記事中の税額は一定の前提を置いた目安で、実際の還付額を保証するものではありません。退職金の還付、株式の譲渡損失、亡くなった人の申告の細部は扱っていません。住民税の扱いの細部は、市区町村にご確認ください。具体的な判断は税理士にご確認ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・判例出典

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小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者7,000人超)。

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