この記事の答え
- 申告が必要な方が前年分を出さずに亡くなると、相続人が出します。申告が2つになることもあります
- 令和9年3月15日(原則)までに亡くなると、前年分も相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です
- 例:令和9年2月10日に亡くなり、同じ日に知った場合は、2つとも6月10日(木)が期限です
前年分の申告前に亡くなると、相続人が出す申告が2つになることがあります
確定申告が必要な方が、前年分を出さずに亡くなることがあります。前年分の申告期限(原則3月15日)までに亡くなると、相続人が前年分を出します。亡くなった年の分も申告が必要なら、申告は2つです。期限は、どちらも相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。

Aさんの父は年金と家賃収入があり、毎年確定申告をしていました。父は令和9年2月10日に亡くなり、令和8年分はまだ出していませんでした。Aさんたちは、令和8年分と令和9年分の2つを確かめます。相続人が亡くなった方の代わりに出す確定申告を、準確定申告といいます。
この図は、前年分の申告期限(原則3月15日)までに亡くなった場合です。申告が必要かは、ふだんの確定申告と同じ基準で判定します。申告が不要な年でも、税金が戻るなら相続人が出せます。
期限は、2つとも相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です

申告期限までに亡くなると、前年分の期限は3月15日ではなくなります。申告が必要なら、前年分も亡くなった年の分も、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。納める税金も、同じ期限までに納めます。
計算例
例:父が亡くなった令和9年2月10日に、Aさんが知った場合
数え始め:翌日の令和9年2月11日2月11日から4か月 → 令和9年6月10日(木)まで2つとも、この日が期限です。一定の前提を置いた目安です。
期限が日曜日や祝日などのときは、休み明けの日が期限です。
期限に遅れると、上乗せの税金(無申告加算税)がかかることがあります。税務署の調査の通知の前に自主的に出しても、原則として納める税金の5%です。利息にあたる税金がかかることもあります。
前年分は1年分、亡くなった年の分は亡くなった日までで計算します

2つの申告は、計算する期間と控除の決め方が違います。前年分は、1月1日から12月31日までの1年分です。亡くなった年の分は、1月1日から亡くなった日までです。
| 項目 | 前年分 | 亡くなった年の分 |
|---|---|---|
| 医療費・保険料 | 前年中に払った分 | 亡くなった日までに本人が払った分 |
| 配偶者控除・扶養控除の判定 | 原則として前年12月31日の状況 | 亡くなった日の状況(月割りはしない) |
注意
Bさん:父が令和9年1月に払った入院費を、令和8年分に入れました。この入院費は、令和9年分(亡くなった年の分)で扱います。
Cさん:父が亡くなった後に自分で払った入院費を、父の申告に入れました。亡くなった後に相続人が払った医療費は、父の申告には入れられません。
控除の全体は、準確定申告の記事で解説しています。
相続人は全員で内容を確かめてから、申告書を出します

相続人が2人以上いるときは、全員が名前を連ねた1通の申告書で出すのが原則です。ほかの相続人の氏名を書き添えて、別々に出すこともできます。その場合は、出した内容をほかの相続人に知らせます。
- 前年分の申告を出していたかを確かめる
- 資料を集め、相続人の氏名・住所・続柄をまとめる
- 申告書に、相続人の情報を書いた付表を添える
- 期限までに税務署へ出し、税金を納める
提出先は、原則として亡くなった方の死亡当時の住所地の税務署です。納める税金は、原則として相続分に応じて、相続人が分けて納めます。前年に不動産を売った方は、売却後に亡くなった場合の記事もご覧ください。
資料集めはご自身で、所得と控除の判断は個別に確かめます
ご自身で進められるのは、資料を集めて、相続人の情報をまとめるところまでです。どの所得と控除を入れるかは、資料を見て個別に判断します。
ご自身ですること
- 源泉徴収票・通帳・領収書を集める
- 前年の申告書の控えを探す
- 相続人全員の情報をまとめる
個別判断になること
- 2つの申告が、それぞれ必要か
- 医療費・保険料を、どちらの年に入れるか
- 配偶者控除・扶養控除の判定
税理士に頼むと、2つの申告の集計から、付表の作成、電子申告までを任せられます。小松公認会計士・税理士事務所では、代表(公認会計士・税理士)が最初から最後まで作成します。各相続人に内容をご確認いただいてから提出し、相続人ごとの納める税金をご案内します。全国どこからでもオンラインで完結します。
料金の目安
準確定申告も、確定申告と同じ料金体系です。基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。
公的年金と、社会保険料などの控除だけの1年分の例です。内訳は、基本料金、公的年金6,000円、その他控除セット6,000円です。合計は44,000円(税別・税込48,400円)です。最低料金に満たないため、最低料金の65,000円(税込71,500円)になります。一定の前提を置いた目安です。
60秒見積りは1年分の金額です。2年分のご依頼の料金は、ご相談のときにご案内します。ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。
この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること
制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。
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小松公認会計士・税理士事務所 代表
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よくある質問(FAQ)
Q1. 前年分の申告期限より後に亡くなった場合は、どうなりますか?
前年分を4か月以内に出す定めは使えません。国税庁の通達では、相続人が出す前年分は期限後申告になります。ただし、災害などで期限が延びていて、延びた期限までに亡くなった場合は、4か月以内に出す扱いです。
Q2. 前年分は、税金が戻るだけの申告でした。相続人が出せますか?
出せます。国税庁の通達に、相続人が出すときの書き方と出し方が示されています。4か月以内に出さなければならないと定められているのは、確定申告をしなければならない場合です。
Q3. 還付金は、相続人の代表がまとめて受け取れますか?
受け取れます。相続人が受け取る還付金を代表の方に任せるときは、付表とは別に、還付金の受領に関する委任状を出します。
免責事項
本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法15条・16条・73条・85条・120条・121条・124条・125条・129条、所得税法施行令263条、所得税基本通達124・125-1、124・125-2、124・125-4、国税通則法5条・10条、国税庁タックスアンサーNo.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」・No.2020「確定申告」・No.2024「確定申告を忘れたとき」、弊所の料金表の内容を扱っています。令和9年1月1日施行の改正後の所得税法でも、124条・125条の期限の定めが変わらないことを確かめています。確定申告が必要かどうかの判定の細目、住所地以外を納税地とする場合、相続人が出国する場合、相続人がいない場合、限定承認と相続放棄、災害などによる期限の延長、税金が戻る申告を出せる期間、消費税と住民税の申告、相続税の申告と債務控除、青色申告の承認と事業を引き継ぐ相続人の申告、添付書類と付表の書き方の細目、e-Taxでの提出の方法、無申告加算税がかからない場合の要件と割合が上がる部分、利息にあたる税金(延滞税)の割合、亡くなった後に相続人が払った医療費を相続人自身の申告に入れる扱いは扱っていません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の期限・料金はご事情によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」(所得税法85条・124条・125条、所得税法施行令263条)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm
- 国税庁 所得税基本通達「法第122条《還付等を受けるための申告》関係」(同じページの124・125-1、124・125-2、124・125-4)https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/19/02.htm
- 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」(国税通則法66条ほか)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
- e-Gov法令検索「所得税法」(15条・16条・73条・85条・120条・121条・124条・125条・129条)https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- e-Gov法令検索「国税通則法」(5条・10条)https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066
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