この記事のポイント
- 援助を受けた年に家を買って住むと、贈与税と所得税の2つの申告が重なります
- 非課税の特例は、限度額以下でも翌年2月1日〜3月15日の申告が必要です
- 特例を受けた援助の額は、住宅ローン控除の計算で取得対価から差し引きます
- 配偶者の親からの援助(養子縁組がある場合を除く)やローン返済に充てた援助は非課税の対象外です
まず結論:援助を受けて家を買った年は、2つの申告が数字でつながります
親や祖父母から住宅資金の援助を受け、住宅ローンも組んで家を買ったとします。
援助を受けた年に住み始めると、翌年の2月から3月に2つの申告が重なります。
ひとつは、援助を非課税にするための贈与税の申告です(タックスアンサーNo.4508)。
もうひとつは、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受ける初年度の所得税の申告です。
非課税の特例を受けた援助の額は、住宅ローン控除の計算で差し引きます。

2つの申告は、受付の始まりも期限の重さも違います
令和8年分では、贈与税は2月1日から、所得税は2月16日から申告を受け付けます。
| 項目 | 贈与税の申告 | 所得税の申告 |
|---|---|---|
| 目的 | 援助を非課税にする | 住宅ローン控除の初年度を受ける |
| 年分 | 援助を受けた年の分 | 住み始めた年の分 |
| 令和8年分の受付 | 令和9年2月1日(月)から | 令和9年2月16日(火)から(還付申告は2月15日以前も可) |
| 期限 | 令和9年3月15日(月) | 令和9年3月15日(月) |
日付は国税庁の公表によります。
非課税の特例を受けるには、翌年2月1日から3月15日までに申告書を出す必要があります。
援助が非課税の限度額以下でも、申告は必要です(No.4508のQ&A)。
一方、確定申告の義務がない給与所得者は、住宅ローン控除の申告を後からでも出せます。
国税庁のQ&Aは、居住した年の5年後の12月31日まで可能としています。
注意
所得税の申告は後から出せても、贈与税の申告は後回しにできません。住宅ローン控除と一緒に翌年以後へ回すと、非課税の特例に必要な申告の期間を過ぎてしまいます。
援助を受けた年と住み始めた年が違うと、2つの申告の年分もずれます。
住宅ローン控除は、住み始めた年の分から受けます(国税庁のQ&A)。
援助の額は、住宅ローン控除の基礎になる金額を減らすことがあります
控除の基礎は、年末残高と「購入代金-特例を受けた援助」の少ないほうです(No.1211-1)。
差し引くのは、非課税の特例か相続時精算課税の特別控除を受けた部分の額です。根拠は租税特別措置法施行令26条6項・26項です。
計算例
例:購入代金2,800万円、親の援助1,000万円の全額に非課税の特例を受けた場合
差し引いた後の対価 2,800万円 - 1,000万円 = 1,800万円 年末残高2,000万円のとき 基礎は少ないほうの 1,800万円 控除額 1,800万円 × 0.7% = 126,000円(差し引かないと140,000円) 年末残高1,700万円のとき 基礎は 1,700万円で、控除額は119,000円(援助の影響なし)家と土地を一緒に買い、ローンを両方に充てた例です。家は省エネ等住宅で、住宅ローン控除の対象にもなる前提です。令和8年入居・単独名義・補助金なし・借入限度額の範囲内で、所得税から引ききれる前提です。
金額は一定の前提を置いた目安です。
影響が出るのは、特例を受けた援助と年末残高の合計が購入代金を超えるときです(補助金がない場合)。
補助金を受けた場合は、その額も対価から差し引きます(No.1211-1)。
共有名義や連帯債務での分け方は、初年度の申告を頼むかの記事で扱っています。

間違えると、非課税を受けられないか、申告を直すことになります
失敗の形は、贈与税の側にも所得税の側にもあります。
ポイント
対象は、令和8年12月31日までの贈与です。非課税の限度額は、受けた人1人ごとに、省エネ等住宅で1,000万円、それ以外で500万円です。父母や祖父母など直系尊属からの贈与で、贈与の年の1月1日に18歳以上であることが要件です。その年の合計所得金額は、2,000万円以下が要件です。床面積40㎡以上50㎡未満の家なら、1,000万円以下です。家の床面積は40㎡以上240㎡以下で、半分以上を自分が住む部分にします。援助の全額を充てて、翌年3月15日までに家を取得することも要件です。同じ日までに住むか、その後遅滞なく住むことが確実と見込まれることも要ります(No.4508)。
| 失敗の形 | 起きること |
|---|---|
| 限度額以下だからと、贈与税の申告をしなかった | 非課税の特例を受けられない(No.4508のQ&A、租税特別措置法70条の2第14項) |
| 妻の両親から、夫が援助を受けた | 配偶者の親は直系尊属に当たらず、対象外(養子縁組をしていれば対象。No.4508) |
| 援助を受けた人が、家の持分を持っていない | 非課税の特例を受けられない(No.4508) |
| 援助を住宅ローンの返済に充てた | 返済のための贈与は、非課税の対象外(No.4508のQ&A) |
| 援助を差し引かずに住宅ローン控除を受けた | 控除が多すぎた場合は、修正申告(税額を正しく直す申告)と延滞税の納付が必要(No.2026) |
| 「遅滞なく住む見込み」で非課税を受け、翌年12月31日までに住まなかった | 非課税を受けられず、2か月以内に贈与税の修正申告と納付が必要(租税特別措置法70条の2第4項) |
援助をした人と、お金を何に充てたかで、非課税になるかが分かれます。
ご依頼の流れは、贈与税の申告書を先に作る順番です
ご依頼の場合は、贈与税の申告書を先に作り、その数字で住宅ローン控除を計算します。
所得税の申告に、贈与税の申告書など援助の額を示す書類の写しを添えるためです(No.1211-1)。
- 60秒見積りで、所得税の申告の料金を確かめます
- お申込みのあと、2つの申告に要る書類の一覧をお送りします
- 援助の記録・契約書・年末残高等証明書などを、オンラインで受け取ります
- 贈与税の申告書を作り、ご確認のうえで2月1日以後に提出します
- 援助を差し引いて住宅ローン控除を計算し、所得税の申告書を提出します
- 2つの申告書の控えをお渡しします

ここまではご自身で、ここから先は個別判断です
ご自身で整えられるのは、事実と書類をそろえるところまでです。
- 援助をした人との続柄と、援助を受けた日・金額を書き出す
- 売買契約書か工事請負契約書の写しと、登記の情報をそろえる
- 住宅の性能を示す証明書が、引渡しの書類にあるかを確かめる
- 住み始めた日と、年末残高等証明書が届く時期を確かめる
非課税の限度額と控除の基礎の判定は、書類の中身で決まる個別判断です。
援助を家屋と土地のどちらに充てたか分からないときは、按分して差し引きます(国税庁のQ&A)。
相続時精算課税との組み合わせや共有の持分との関係も、個別判断です。
初年度の書類全般は、住宅ローン控除の初年度の記事にまとめています。
その家を将来売るときは、親の援助で買った家を売る記事をご覧ください。

税理士に頼むと変わるのは、2つの申告の数字がそろうことです
小松公認会計士・税理士事務所では、贈与税と所得税の2つの申告をまとめてお受けしています。
- 贈与した人の続柄・援助の使いみち・入居の時期から、要件を確認します
- 住宅の証明書をもとに、非課税の限度額を判定します
- 贈与税の申告書を作り、受付の期間内に提出します
- 特例を受けた額を差し引いて、住宅ローン控除を計算します
- 所得税の申告書を作って提出し、2つの控えを保管します
全国どこからでも、オンラインで完結します。
料金の目安
基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。
例:給与所得と住宅ローン控除(初年度)の方の場合です。32,000円+6,000円+15,000円=53,000円(税込58,300円)です。65,000円に満たないため、最低料金の65,000円(税込71,500円)になります。計算例は一定の前提を置いた目安です。
贈与税の申告は60秒見積りに含まれないため、別にお見積りします。料金表では、暦年課税の贈与税申告を75,000円(税込82,500円)からとしています。相続時精算課税の贈与税申告は、86,000円(税込94,600円)からです。
ご自身の所得税の申告の料金は、60秒見積りで確かめられます。
この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること
制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。
登録者6,900人超
小松公認会計士・税理士事務所 代表
小松 優馬公認会計士・税理士
- お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
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よくある質問(FAQ)
Q1. 援助が非課税の限度額以下なら、贈与税の申告はしなくてよいですか?
申告が必要です。限度額以下で全額が非課税になる場合も、申告書の提出が必要です(No.4508のQ&A)。期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。申告書には、戸籍の謄本や契約書の写しなどを添付します。
Q2. 贈与税の申告と住宅ローン控除の申告は、どちらを先に出しますか?
令和8年分の受付は、贈与税が令和9年2月1日から、所得税が2月16日からです。所得税の還付申告は、2月15日以前も出せます。所得税の申告には、贈与税の申告書など援助の額を示す書類の写しを添えます(No.1211-1)。このため、ご依頼の場合は贈与税の申告書を先に作ります。
Q3. 妻の両親から住宅資金の援助を受けました。非課税の特例は使えますか?
夫が受け取る形では使えません。国税庁は、配偶者の親は直系尊属に含まれないとしています(No.4508のQ&A)。配偶者の親と養子縁組をしている場合は、ほかの要件を満たせば使えます。妻が自分の親から受け取り、家の持分を持つ形なら、妻の側で要件を確かめます。
Q4. 年末に家の引渡しを受け、住み始めたのは翌年1月です。申告はどうなりますか?
住宅ローン控除は、住み始めた年の分から受けます(国税庁のQ&A)。令和8年に援助と引渡し、令和9年1月に入居なら、所得税は令和9年分の申告です。贈与税は援助を受けた年の分なので、令和9年2月1日から3月15日までに申告します。2つの申告の年がずれる形です。
免責事項
本記事は令和8年10月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。租税特別措置法41条1項・36項、70条の2第1項・2項・4項・14項、租税特別措置法施行令26条6項・26項、租税特別措置法施行規則18条の21第8項、相続税法28条1項、所得税法120条1項、国税庁タックスアンサーNo.4508「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」とそのQ&A・No.1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」・No.2026「確定申告を間違えたとき」・No.4429「贈与税の申告と納税」、国税庁のQ&A「住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」、国税庁「暮らしの税情報」(令和8年度版)の内容を扱っています。住宅取得等資金の非課税は令和8年12月31日までの贈与が対象で、令和8年10月時点で公布済みの法令に期間の延長はありません。贈与税の税率と基礎控除・非課税にならなかった場合の贈与税額、相続時精算課税の要件と選び方、省エネ等住宅の基準と証明書の細目、国内に住所がない場合・特別の関係がある人からの取得・過去に非課税の特例を受けた場合の扱い、住宅ローン控除の借入限度額・控除限度額・控除期間の住宅区分ごとの金額、子育て世帯などへの上乗せ、共有名義・連帯債務の計算、家屋と土地への按分の計算、補助金等の差引きの細目、住民税からの控除、過少申告加算税と延滞税の計算、記載や添付が漏れた場合の救済、災害の特例、その家を売るときの課税は扱っていません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の控除額は住宅の区分・入居年・借入の状況で変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」(41条・70条の2)https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026
- 国税庁 タックスアンサー No.4508「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.4508「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」Q&Ahttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508_qa.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
- 国税庁 タックスアンサーQ&A「住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213_qa.htm
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親の援助で家を買い、その年に住み始めると、翌年2月から3月に贈与税と所得税の申告が重なります。非課税の特例は、限度額以下でも翌年2月1日から3月15日までの申告が必要です。特例を受けた援助の額は、住宅ローン控除の計算で差し引きます。代表税理士が、非課税の要件の確認と贈与税の申告書の作成を行います。援助を差し引いた住宅ローン控除の計算と、2つの申告書の提出まで通して対応します。全国どこからでもオンラインで完結します。援助を受けた年の申告は、受付が始まる前にご依頼ください。
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