この記事の答え
- 入居した年の分を翌年に確定申告します。会社員も初年度は年末調整で受けられません。
- 会社員は2年目から年末調整で受けられます。自営業の人などは毎年確定申告です。
- 令和4年以後の入居は残高の0.7%。上限は年14万〜35万円で、対象外の新築もあります。
初年度は何をすればよいですか

入居した年の分を、翌年に確定申告します。会社員の人も、初年度は確定申告が必要です。
住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じた金額を、所得税から差し引く仕組みです。
たとえば、令和8年に入居した会社員のAさんは、令和8年分の確定申告を令和9年に行います。
- 入居した年の年内
借入先の手続きと、家の証明書を確かめる - 翌年3月15日まで
書類をそろえて確定申告をする - 翌年の10〜11月ごろ
税務署から控除の証明書が届く - 翌年の年末調整
証明書などを勤務先に出す
自営業の人と、給与が2,000万円を超えるなど年末調整を受けない人は、2年目以降も確定申告で控除を受けます。
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。税金が戻るだけの還付申告は、1月1日から出せます。
入居の年で、控除額と条件はどう変わりますか

控除額は「年末のローン残高×控除率」で、控除率は令和4年以後の入居なら0.7%です。入居の年と家の種類ごとに、1年の上限があります。
購入価格が残高より少ない人は、購入価格で計算します。補助金などは、購入価格から引きます。
表 1年の控除の上限( )は子育て世帯等
| 入居した年 | 長期優良・低炭素 | ZEH水準 | 省エネ基準 | それ以外 |
|---|---|---|---|---|
| 令和3年まで | 控除率1%で、上限も条件も別です(契約の時期により令和4年の入居も) | |||
| 新築 令和4・5年 | 35万円 | 31.5万円 | 28万円 | 21万円 |
| 新築 令和6・7年 | 31.5万円 (35万円) | 24.5万円 (31.5万円) | 21万円 (28万円) | 原則0円 |
| 新築 令和8・9年 | 14万円 (21万円) | |||
| 新築 令和10〜12年 | 原則0円 | |||
| 中古 令和4〜7年 | 21万円 | 14万円 | ||
| 中古 令和8〜12年 | 24.5万円 (31.5万円) | 14万円 (21万円) | 14万円 | |
令和8年に省エネ基準の新築へ入居したBさんは、子育て世帯等ではありません。残高が3,000万円でも、控除額は上限の14万円です。一定の前提を置いた目安です。
- 控除を受けられる年数は13年です。中古は、令和7年までの入居と「それ以外」が10年です。
- 子育て世帯等は、19歳未満の扶養親族がいる人と、夫婦のどちらかが40歳未満の人です。入居の年の12月31日で判定し、令和8年以後の入居は50㎡以上の家に限ります。
- 「原則0円」の新築の例外と、令和10年以後の区域の条件は、FAQをご覧ください。
- 買取再販住宅(業者が改修して売る中古)と増改築は別の表です。
主な条件は、次のとおりです。
- 床面積が50㎡以上で、半分以上が自分の住まいである
- その年の所得が2,000万円以下である(年収から経費などを引いた後の金額)
- 取得から6か月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで住み続けている
- 返済期間10年以上のローンである(親族や知人からの借入れなどは対象外)
- 生計が同じ親族などから買った家や、贈与された家ではない
- 入居の年と前2年・後3年に、前の家を売って3,000万円控除などを受けていない
- 中古は、昭和57年以後の建築か、耐震基準に適合している
40㎡台の家は、所得が1,000万円以下の人に限ります。対象は新築の一部と、令和8年以後に入居する中古です。
初年度の書類は何をそろえますか

確定申告書に、計算明細書と、家とローンの内容が分かる書類を付けて出します。
- 計算明細書:国税庁の確定申告書等作成コーナーで入力すると、自動で作られます
- 年末残高等証明書:借入先の金融機関から交付されます
- 家の登記事項証明書:床面積はこの面積で判定します。計算明細書に不動産番号を書けば、省略できます
- 売買契約書か工事請負契約書の写し
- 家の種類を示す書類:住宅省エネルギー性能証明書、長期優良住宅の認定通知書の写しなど
- 当てはまる人だけ:土地の書類、補助金の通知書、贈与税の申告書の写し、耐震の証明書など
新築の性能証明書は、原則として取得の日より前の調査が条件です。年内に、引渡しの書類の中にあるかを確かめてください。
ポイント
調書方式とは、金融機関が年末の残高を税務署へ直接知らせる方式です。対応する借入先は、国税庁の一覧などで確かめます。対応する借入先へ「住宅ローン控除の適用申請書」を出した人は、年末残高等証明書の添付が要りません。
調書方式の人は、入居の年内に、マイナポータルで「e-Taxからの情報取得希望」を済ませます。翌年2月中旬に残高の情報が届きます。間に合わなくても、返済計画表を見て入力すれば申告できます。
申告を忘れたら、あとから直せますか

確定申告書を出していない年は、あとから申告できます。控除を書かずに出した年は、更正の請求(払いすぎた税金を直す手続き)でも足せません。
あとからできる
- 確定申告書を出していない年の申告(翌年1月1日から5年間)
- 原則3月15日までの申告書の出し直し
あとからできない
- 控除を書かずに確定申告書を出した年の追加
- 一般の家で申告した後に、省エネ住宅などへ変えること
- 申告が遅れた分だけ、控除の年数を延ばすこと
この5年間は、確定申告の義務がない会社員などの場合です。令和8年中は令和3年分から、令和9年中は令和4年分から申告できます。先の申告の還付の処理が済むと、出し直せません。控除の追加は、税務署長がやむを得ない事情を認めたときに限り、書類を出して受けられます。
医療費控除だけを申告した年などが、足せない年に当たります。次の年分からは、条件を満たせば申告できます。
失敗の例
省エネ住宅の証明書を付けず、一般の家として申告した人がいます。後から省エネ住宅に変える更正の請求は、認められませんでした(令和7年9月26日の裁決)。初年度に一般の家として申告すると、2年目以降も変えられません。
どこまで自分でできますか

家もローンも1人の名義で、親の援助や前の家の売却がなければ、ご自身でも申告しやすい形です。書類の準備と入力までは、ご自身で進められます。
共有名義や連帯債務、親の援助、前の家の売却、増改築があると、計算が変わります。ここから先は個別判断です。線引きは頼むかどうかの判断の記事をご覧ください。
小松公認会計士・税理士事務所では、家の種類に合う書類をご案内し、申告する区分を確かめます。持分や援助がある人は、対象の金額を計算します。
料金の目安
基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。最低料金は65,000円(税込71,500円)です。
例は、給与所得と住宅ローン控除の人です。32,000円+6,000円+15,000円=53,000円(税込58,300円)です。65,000円に満たないため、最低料金になります。計算例は一定の前提を置いた目安です。
ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ふるさと納税のワンストップ特例を申請しました。初年度はどうなりますか?
確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。申請した寄附の分も寄附金控除に含めて、確定申告書に書きます。詳しくは住宅ローン控除とふるさと納税の記事をご覧ください。
Q2. 所得税から引ききれない分はどうなりますか?
翌年度の住民税から引かれます。上限は所得税の課税所得などの5%で、最高9万7,500円です。平成26年から令和3年までの入居で消費税8%か10%の家は7%、最高13万6,500円です。市区町村への申告は要りません。
Q3. 表で「原則0円」の新築は、控除を受けられませんか?
建築の時期によっては年14万円・10年を受けられます。「それ以外」は令和5年末までの建築確認か令和6年6月30日までの建築です(40㎡台は建築確認だけ)。省エネ基準の家は令和9年末までの建築確認か令和10年6月30日までの建築です。
Q4. 令和10年以後に入居する新築には、ほかに条件がありますか?
土砂災害特別警戒区域など、災害の危険が高い区域にある新築は、原則として対象外です。一定の建替え・中古住宅・リフォームは、この条件の対象になりません。
免責事項
本記事は令和8年11月時点の法令・国税庁の公表資料(国土交通省・総務省・国税不服審判所の公表資料を含みます)に基づく一般的な解説です。控除の上限・年数・要件は、入居の年、住宅の種類、取得の形で細かく異なります。共有名義・連帯債務の計算、住宅取得等資金の贈与、前の家の売却の特例との関係、増改築、買取再販住宅、借換え、繰上返済、転勤と再居住、災害の特例の細部は扱っていません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安です。具体的な判断は税理士にご確認ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・判例出典
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」(41条1項〜4項・6項〜10項・16項〜18項・21項〜26項・36項・37項、41条の2の2)https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026
- e-Gov法令検索「地方税法」(附則5条の4。令和9年1月1日施行の改正で居住年が令和12年まで延長)https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
- 国税庁 租税特別措置法関係通達(所得税)41-33「住宅借入金等特別控除の控除額に係る特例の規定を適用した場合の効果」https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/801226/sinkoku/57/41/01.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-2「買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-2.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-3「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-3.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-4「増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-4.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1212「住宅の新築等をし、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1212.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1225「住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1225.htm
- 国税庁 タックスアンサー「住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」のQ&A(Q4 控除証明書の交付・Q8 確定申告書の提出期限・Q9 取得と居住の年が異なる場合・Q11 調書方式の添付書類)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213_qa.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2020「確定申告」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/index.htm
- 国税庁「年末残高調書を用いた方式(調書方式)に対応した金融機関の一覧」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/ichiran.htm
- 国税庁「住宅ローン控除の確定申告には事前準備が必要です!」(令和8年9月)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/pdf/04.pdf
- 国税庁「年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」(令和8年9月)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/pdf/05.pdf
- 国税庁「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等情報のマイナポータル連携に関するFAQ」(令和8年9月17日更新)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/pdf/0024012-098.pdf
- 国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和8年度版)マイホームを持ったときhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_1.htm
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー「SSAJ020-SUE128(住宅借入金等特別控除)」(令和7年分よくある質問)https://www.keisan.nta.go.jp/r7yokuaru/koseiseikyusho/shotokuzeikoseisei/errorcodekoseiseikyu/5TE330.html
- 国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」Q21 確定申告の内容が間違っていた場合https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/07.htm
- 国税庁 所得税基本通達120-4(同一人から2以上の申告書が提出された場合)https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/19/01.htm
- 国税不服審判所 令和7年9月26日裁決(一般の住宅借入金等特別控除で申告した後の更正の請求)https://www.kfs.go.jp/service/JP/140/01/index.html
- 国税不服審判所 平成19年2月19日裁決(裁決事例集No.73 1頁。控除の記載がない確定申告書の更正の請求)https://www.kfs.go.jp/service/JP/73/01/index.html
- 国土交通省「住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
- 国土交通省 報道発表「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」と別紙1https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000241.html
- 総務省「個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/090929.html
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