確定申告

住宅ローン控除は初年度だけ確定申告が必要
必要書類と手続きの流れ

小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

YouTubeチャンネルを見る →

この記事のポイント

  • 住宅ローン控除は入居翌年に確定申告が必要。2年目以降は年末調整で完結します
  • 控除率は年末残高等×0.7パーセント、控除期間は原則13年間です
  • 令和8年度改正で適用期限が令和12年12月31日入居分まで5年延長されました
  • 申告を忘れても還付申告は翌年1月1日から5年間提出できます

住宅ローン控除は「初年度だけ」確定申告が必要な理由

会社員の方でも、入居した年の翌年は必ず確定申告が必要です。2年目以降は勤務先の年末調整で済みます。

制度の基本

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、年末のローン残高等に0.7パーセントを掛けた金額を所得税額から差し引く制度です(国税庁タックスアンサーNo.1211-1)。所得控除ではなく税額控除のため効果が大きく、控除期間は原則13年間です。引ききれない分は、一定額を限度に翌年度の住民税から控除されます。

2年目以降は年末調整で完結します

初年度は確定申告書に必要書類を添えて税務署に提出します。2年目以降は、給与所得者なら「住宅借入金等特別控除証明書」と「年末残高等証明書」を勤務先に提出するだけで、年末調整により控除を受けられます。

新居に入居する家族
住宅ローン控除は初年度だけ確定申告が必要です

初年度の確定申告に必要な書類

国税庁が挙げる主な添付書類は次のとおりです。住宅の種類(新築・買取再販・中古・増改築)で、追加書類が必要になることがあります。

書類入手先・備考
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書税務署・国税庁HP。作成コーナーなら自動作成
登記事項証明書法務局。床面積・取得年月日を確認
売買契約書または工事請負契約書の写し取得対価の額を確認(印紙付きの写し)
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書借入先の金融機関から10月〜11月頃に郵送
本人確認書類(マイナンバーカード等)e-Tax送信なら提示・写し提出は不要
住宅性能を証明する書類認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅で必要

ポイント

省エネ性能の区分で、控除対象の借入限度額が変わります。性能証明書類は引渡し時に一式で受け取っていることが多く、後から取り寄せると時間がかかります。申告準備の前に引渡し書類一式を確認してください。

注意

年末残高等証明書は秋以降に金融機関から届きます。紛失時は再発行できますが繁忙期は日数がかかり、申告期限の直前に気づくと間に合わないおそれがあります。年内に手元にあるか確認しておきましょう。

適用要件のチェックリスト

国税庁タックスアンサーNo.1211-1が挙げる要件のうち、実務で問題になりやすいものです。

① 新築等の日から6か月以内に入居

入居しただけでは足りません。控除を受ける年分の12月31日まで引き続き住んでいることが必要です。転勤等で年末に住んでいなければ、その年は原則として控除を受けられません(再適用できる取扱いもあります)。

② 床面積50平方メートル以上(特例居住用家屋は40平方メートル以上50平方メートル未満)

床面積の2分の1以上を自分の住まいとして使っていることも必要です。店舗併用住宅はご注意ください。床面積は登記事項証明書の面積で判定し、販売パンフレットの壁芯面積とは異なることがあります。

③ 合計所得金額2,000万円以下(特例居住用家屋は1,000万円以下)

「年収」ではなく「合計所得金額」で判定します。買い換えた年は、前の家の売却益(譲渡所得)も合計所得金額に加算される点にご注意ください。

④ 償還期間10年以上の借入金

繰上返済にも注意が必要です。当初の借入日から返済終了までの期間が10年未満になると、それ以後は控除を受けられません。

⑤ 居住用財産の譲渡特例との併用制限

入居した年とその前後の一定期間に3,000万円特別控除などの特例を受けていると、住宅ローン控除は使えません。買い換えの場合は特に影響します。

残高証明書と申告の準備
2年目からは年末調整で手続きできます

令和8年度税制改正での変更点

令和8年度税制改正により、住宅ローン減税は次のとおり見直されました(国土交通省公表資料)。

  • 適用期限を5年間延長――入居日が令和8年1月1日から令和12年12月31日までの場合に適用
  • 床面積要件の緩和――新築・既存住宅ともに40平方メートル以上に緩和(合計所得金額1,000万円超の方等は50平方メートル以上)
  • 省エネ性能の高い既存住宅は控除期間13年間に拡充し、借入限度額を引上げ
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯への借入限度額の上乗せを継続し、省エネ基準適合以上の既存住宅にも拡充
  • 建築確認が令和10年以降の省エネ基準適合住宅は対象外(登記簿上の建築日が令和10年6月30日までは対象)

借入限度額は住宅の性能区分と入居年で細かく分かれ、一律の金額は示せません。最新の表は国土交通省「住宅ローン減税」のページでご確認ください(参考資料欄にリンク)。

初年度の申告を忘れていた場合

控除の資料
還付申告は5年間さかのぼれます

あきらめる必要はありません。給与所得者で年末調整だけ受けていた方は、還付申告として提出できます。

国税庁タックスアンサーNo.2030は「還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます」と案内しています。令和8年中であれば令和3年分以降が対象です。

注意

控除期間そのものは延びません。入居年から13年という期間は動かず、申告が遅れた年分はその年分として申告します。またすでに確定申告書を出している年分は「更正の請求」になります(原則として法定申告期限から5年以内)。

初年度に申告しないと「住宅借入金等特別控除証明書」が発行されません。初年度の申告は2年目以降の年末調整の入口でもあります。

あわせて読みたい

よくある質問(FAQ)

Q1. 共働きで住宅ローンを夫婦それぞれが組んでいます。二人とも控除を受けられますか?

受けられます。ペアローンや連帯債務で夫婦それぞれがローンを負担し持分も持つ場合、各自の残高と持分に応じて控除できます(二人とも初年度の申告が必要)。連帯保証人のみの方は対象外です。

Q2. 借り換えをした場合、住宅ローン控除は続けられますか?

続けられます。借換え後の借入金が当初のローン返済のためと認められ、償還期間10年以上等も満たすことが条件です。控除期間は延びず当初の入居年から数え、当初残高を超えた部分は対象外です。

Q3. 控除しきれなかった分は住民税から引かれますか?

はい、引かれます。所得税から控除しきれない金額があるときは、一定額を限度に翌年度の個人住民税から控除されます。別途の申請はいりません。確定申告や年末調整の情報が市区町村へ送られ、自動的に反映されます。

Q4. 親から住宅の購入資金を援助してもらいました。住宅ローン控除に影響しますか?

含まれません。控除の対象は借入金の年末残高であり、贈与資金は借入金ではないためです。ただし住宅取得等資金の贈与税非課税特例を併用する場合、取得対価から贈与額を差し引く調整計算が必要です。

免責事項

本記事は令和8年8月時点の法令・国税庁および国土交通省の公表資料に基づく一般的な解説です。住宅ローン控除は住宅の性能区分・入居年・取得形態によって借入限度額や要件が細かく異なり、本記事の記載がすべての事案に当てはまるものではありません。具体的な事案については必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・判例出典

この記事のお悩みは、小松公認会計士・税理士事務所にご相談ください

制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。

小松公認会計士・税理士事務所 代表 小松優馬 登録者6,900人超

小松公認会計士・税理士事務所 代表

小松 優馬公認会計士・税理士

  • お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
  • 必要な書類のご案内から申告まで、まるごとお任せいただけます
  • 料金は先にお見積り。全国どこでも、オンラインで完結できます

YouTube「税理士 小松ゆうまチャンネル」(登録者6,900人超)で、税金の話を分かりやすく解説しています。動画を見てみる

初回相談は無料です。相談だけで終えていただいて構いません。

住宅ローン控除の初年度申告は無料相談から

初年度の申告は、必要書類がそろえば難しい手続きではありません。一方で、床面積の判定・合計所得金額・譲渡特例との併用制限など、結論が変わる論点がいくつもあります。引渡し書類一式をお手元にご用意のうえ、まずは無料相談をご利用ください。代表税理士が直接ご対応します。

無料相談を申し込む 確定申告サポートの詳細を見る 約60秒で料金を自動見積り

小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者6,500人超)。

関連記事

個人確定申告の料金
令和8年分 確定申告 お引き受け開始中

確定申告の料金を約60秒で確認

所得の種類と資料の状態を選ぶだけ。今なら全項目10%OFF後の特価がその場で分かります

個人 60秒見積り

住宅ローン控除の初年度申告のご相談

初回相談は無料です。代表が直接ご対応します。

確定申告サポートの詳細を見る
法人60秒見積り 個人60秒見積り