この記事の答え
- 題名でなく本文に「調査」とあるかを確かめ、申告が必要な年は早く申告します
- 無申告加算税は、事前通知の前に自主的に申告した人は原則5%、調査の後は15%〜30%です
- 例:納める税金100万円なら、自主的な申告で5万円、調査の後は17.5万円です(目安)
お尋ねが調査かどうかは、題名ではなく本文で確かめます
申告していない年について、税務署から「お尋ね」や申告の案内が届くことがあります。最初に確かめるのは、本文に「調査」と書かれているかどうかです。調査の事前通知の前に自主的に申告すれば、上乗せの税金(無申告加算税)は原則5%です。調査の後は15%〜30%に上がります。

国税庁は、無申告が想定される人に文書や電話で連絡し、申告書の提出を呼びかけています。情報の提供や申告を自発的に求めるだけの連絡は、国税庁の通達では調査にあたりません。こうした連絡を行政指導といいます。
期限を過ぎて出す申告を、期限後申告といいます。行政指導だけをきっかけにした期限後申告は、調査で税額を決められると予知した申告にあたりません。事前通知の前なら、原則5%の区分です。税務署は、調査か行政指導かを明示することにしています。
注意
やわらかい題名でも、調査のことがあります。平成28年5月20日の裁決の事案では、文書の題名が「○年分の所得税の確定申告について」でした。本文には調査の必要があると書かれ、税務署に来るよう求めていました。国税不服審判所は、面談で勧められた後の期限後申告を、予知した申告と判断しました。
放置と自主的な申告で、上乗せの税金が変わります

申告が必要な年を放置すると、税務署が調査のうえで税額を決めることがあります。国税庁は、支払調書などの資料から無申告を把握し、積極的に調査を実施していると公表しています。
フリーランスのAさんは令和6年分を申告しておらず、納める税金は100万円です。これまで加算税を受けたことがなく、前年と前々年は申告済みです。収入を隠す行為もなく、売上を記した帳簿を調査で示せる前提です。
一定の前提を置いた目安で、令和5年分以降の割合です。自主申告は事前通知の前の申告です。通知の後は予知の前の申告で、50万円×10%+50万円×15%です。調査の後は税額を決められた場合を含み、50万円×15%+50万円×20%です。
本来の税金とは別に、利息にあたる延滞税も日数に応じて増えます。前年と前々年も無申告の人は、調査の後などの申告に10%が加わることがあります(令和5年分以降)。全体は無申告のペナルティの記事をご覧ください。
事前通知の後は、調査の日の前に出しても、原則として5%になりません。電話で事前通知を受け、資料の準備も頼まれた人が、調査の日の前に期限後申告をした事案があります。令和7年10月15日の裁決は、調査の進み具合や本人の認識などを総合して、予知した申告と判断しました。図2の「通知の後」の割合で済むとは限りません。
回答の前に、文書・申告の必要性・資料の3つを確かめます

回答の前に、次の3つを確かめます。
- 文書の内容:差出人、対象の年分、回答の期限を確かめます。分からない点や、調査か行政指導かは、文書の連絡先へ問い合わせます。
- 申告が必要か:所得が所得控除を超えて税額が出る人は、原則として申告が必要です。給与が1か所・2,000万円以下で全部が源泉徴収の対象なら、他の所得20万円以下の人は原則不要です。副業の所得は、収入から経費を引いた金額です(20万円のルールの記事)。
- 収入と経費の資料:通帳、支払調書、源泉徴収票などで、年分ごとに確かめます。回答には、資料で確かめた事実だけを書きます。
副業を続けてきたBさんが文書の1年分だけ申告しても、ほかの年の申告が必要なら残ったままです。不動産を売った人は、不動産売却のお尋ねの記事をご覧ください。
文書の確認まではご自身で、その先は個別判断です

ご自身で進めやすいのは、文書の確認と資料集めまでです。その先は、経緯と資料の状況で判断が変わります。
ご自身で確かめること
- 差出人・対象の年分・回答の期限
- 本文に「調査」と書かれているか
- 通帳などの資料
個別判断になること
- 何年分を申告するか
- 加算税がどの区分になるか
- 資料のない経費の扱い
- 消費税の申告が必要か
税理士に頼むと、申告が必要な年分の洗い出しから提出までを任せられます。小松公認会計士・税理士事務所では、届いた書類の内容を伺い、収入と経費を年分ごとに集計します。申告書は、代表(公認会計士・税理士)が各年分の様式で作成します。
納める税金と、加算税・延滞税の見込みもご説明します。税務署から連絡が来ている場合の対応のご相談もお受けします(税務調査の立会いは別料金)。
料金の目安
基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。期限を過ぎた年分も同じ料金表です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。
通常料金での計算例です。会社員の副業(売上は年300万円以下の雑所得)を申告していなかった1年分とします。基本料金に給与所得6,000円、副業・雑所得22,000円、その他控除セット6,000円を足します。合計は66,000円(税別)で、税込では72,600円です。一定の前提を置いた目安です。帳簿づけ(記帳代行)も頼むと、その料金が加わります。
ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます(1年分の金額です)。
この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること
制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。
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小松公認会計士・税理士事務所 代表
小松 優馬公認会計士・税理士
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よくある質問(FAQ)
Q1. お尋ねが届いた後に申告しても、無申告加算税は5%ですか?
行政指導の連絡だけがきっかけで、調査の事前通知の前に自主的に申告すれば、原則5%です。本文に調査と書かれた文書を受け、面談などを経た後の申告が、調査の後の割合になった裁決もあります。
Q2. お尋ねに回答しないと、罰則はありますか?
法律の罰則は、調査の質問に答えないことなどに定められています。行政指導のお尋ねは、情報の自発的な提供を求めるものです。ただし、申告が必要な年を放置すると、税額を決められることがあります。正当な理由なく申告しないことにも罰則の定めがあります。
Q3. 事実と違う回答をすると、どうなりますか?
売上を隠すなどの隠蔽や仮装は、重い扱いになります。調査の後の申告などでは、無申告加算税が40%の重加算税に代わります。国税庁の指針は、調査等の際の虚偽の答弁も、ほかの事実と合わせて判断する例に挙げています。
Q4. 何年分さかのぼって申告しますか?
申告が必要な年分を申告します。税務署が税額を決められる期間は、原則として法定申告期限から5年です。偽りその他不正の行為があれば7年です。何年分を出すかは、資料を見て個別に判断します。
免責事項
本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。国税通則法18条・25条・60条・65条6項・66条・68条2項・70条・74条の9・128条、所得税法120条・121条・241条、国税通則法第7章の2(国税の調査)等関係通達1-2、「調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)」、「申告所得税及び復興特別所得税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)」、「申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」、国税庁タックスアンサーNo.2024・No.2020・No.1900・No.1500・No.9205、「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」問2・問12、国税庁レポート2026、国税不服審判所の平成28年5月20日裁決・令和7年10月15日裁決、弊所の料金表の内容を扱っています。法定申告期限から1か月以内の申告で無申告加算税がかからない場合、10%が加わる要件の細目、帳簿の提示をしない場合などの加算、延滞税の割合と計算、公的年金を受ける人の申告の要否、還付申告、青色申告特別控除への影響、納税の猶予、消費税の申告の要否、住民税と事業税、法人の申告、相続税と贈与税のお尋ね、不動産や株式を売った場合の個別の扱いは扱っていません。裁決は個別の事案についての判断です。お尋ねの後の申告が自主的な申告にあたるかは、連絡の内容と経緯で個別に判断され、同じ結果になるとは限りません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の金額は年分と納める税金の額によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」(所得税法120条・国税通則法18条・35条・60条・66条)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
- 国税庁「第1章 法第74条の2~法第74条の6関係(質問検査権)」(国税通則法第7章の2(国税の調査)等関係通達1-2)https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/zeimuchosa/120912/01.htm
- 国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」(問2・問12・問22)https://www.nta.go.jp/information/other/data/h24/nozeikankyo/ippan02.htm
- 国税不服審判所「平成28年5月20日裁決」https://www.kfs.go.jp/service/JP/103/01/index.html
- 国税不服審判所「令和7年10月15日裁決」https://www.kfs.go.jp/service/JP/141/01/index.html
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