この記事のポイント
- 申告書は親ご本人の申告として出し、子どもは書類集めと連絡を手伝う立場です
- 税理士が代理するときは、親ご本人の委任を証する税務代理権限証書を税務署に出します
- 還付金の振込先は、原則として親ご本人の氏名のみの口座にするよう案内されています
- 書面の控えに受付印は押されません(令和7年1月から)。写しと提出日の記録を残します
まず結論:申告するのは親ご本人で、子どもは手伝う立場です
離れて暮らす親の確定申告を、子どもが代わりに税理士へ頼むときの流れをまとめます。
前提は、確定申告書を親ご本人の所得について、親ご本人の申告として出すことです。
所得税法120条1項は、一定の場合に、居住者が所得金額などを書いた申告書を出すと定めています。
この記事では、子どもが書類集めや連絡、提出までの段取りを手伝う場合を扱います。
税理士に頼むときも、税務代理(本人に代わって申告などを行うこと)を委任するのは親ご本人です。
離れて暮らす親の申告は、親ご本人の同意と書類の集め方から始めます。
年金の方に申告が必要かどうかは、年金受給者の確定申告の記事で扱っています。
亡くなった親の申告は、準確定申告の記事をご覧ください。

依頼の前に、親ご本人の同意と委任を確かめます
税理士が親の申告を代理するには、親ご本人からの委任が前提です。
税務代理は、税理士法2条1項1号が定める税理士の業務です。
税理士は、税務代理をするとき、その権限を証する書面を税務署に出さなければなりません(同法30条)。
この書面を、税務代理権限証書といいます(同法施行規則15条)。
証書の依頼者の欄には、依頼者の氏名と住所を書きます(国税庁の記載要領)。
ポイント
ご家族が窓口になって依頼するときも、申告する人と委任する人は親ご本人です。
親ご本人が納得して委任できるよう、依頼の前に家族で話しておきます。
離れて暮らす親の書類は、届く時期と中身を先に確かめます
親ご本人あての書類を使うため、届く時期と中身を家族で先に確かめます。
公的年金の源泉徴収票は、翌年1月31日までに交付されます(所得税法226条3項)。
令和8年分の申告期間は、原則として令和9年2月16日から3月15日までです(No.2020)。
還付申告(納めすぎた税金を戻す申告)は、令和9年1月1日から出せます(No.2030)。
| 集める書類 | 確かめること |
|---|---|
| 公的年金等の源泉徴収票 | 添付は不要ですが、内容を申告書に書きます(日本年金機構) |
| 年金から天引きされていない保険料の金額が分かるもの | この控除は確定申告で受けます(日本年金機構) |
| 生命保険料・地震保険料の証明書 | 証明書の添付・提示か明細書の添付が要ります(旧生命保険料の1契約9千円以下は除く)。e-Taxは、内容を入力すれば提出を省略できます |
| 医療費の領収書・医療費通知 | 領収書から明細書を作り、申告書に付けます(No.1120) |
| マイナンバーカードなど | 書面で出すときに、提示か写しの添付が要ります |
医療費控除の計算のしかたは、医療費控除の記事で解説しています。
注意
源泉徴収票の社会保険料の欄は、年金から天引きされた介護保険料などの合計です(日本年金機構)。口座振替や納付書で払った保険料は含まれないため、金額を別に集めます。
補足
令和9年1月1日以後に出す令和8年分以後の申告書から、新しい扱いが始まります(改正法附則10条)。生命保険料などは、証明書の添付や提示に代えて、明細書を付けられます(改正後の所得税法120条6項)。
明細書を付けると、税務署は期限から原則5年間、証明書の提示などを求めることができます(同条7項)。届いた証明書は、捨てずに保管します。
書類が届いたら、親ご本人に1か所にまとめておいてもらいます。

提出は親ご本人の申告として行い、還付金は親ご本人の口座で受け取ります
提出の方法はe-Tax(国税の電子申告)か書面で、どちらも親ご本人の申告として出します。
- 親ご本人がe-Taxで送る ― 確定申告書等作成コーナーで作って送れます(No.2020)。本人確認書類の提示や写しの提出は不要です(国税庁の本人確認FAQ)。
- 書面で出す ― マイナンバーの記載と、本人確認書類の提示か写しの添付が要ります(国税庁のQ&A)。郵便で送ると、通信日付印の日が提出日とみなされます(同)。
- 税理士が代理送信する ― 親ご本人の電子署名を省略できます(e-Taxホームページ)。税理士の電子署名だけで送信できます。
納める税金があっても、税務署から納付書は送られてきません(No.2020)。
振替納税(口座からの引落し)などの方法で納めます。
還付金は、申告書の「還付される税金の受取場所」に書いた口座へ振り込まれます。
国税庁は、振込先に申告者ご本人の氏名のみの口座を使うよう案内しています。
子どもの口座ではなく、親ご本人の名義の口座を書きます(納税管理人を指定した場合を除く)。
公金受取口座を登録済みなら、申告書でその口座を指定することもできます(国税庁のQ&A)。

間違えると手間が増えるのは、口座・保険料・控えの扱いです
次の5つは、手続きの決まりを知らないまま進めたときの誤りです。
- 振込先に子どもの口座を書く ― 本人の氏名のみの口座を使うよう案内されています。
- 天引きされていない保険料を入れ忘れる ― その控除は確定申告で受けます(日本年金機構)。
- 医療費の領収書を捨てる ― 確定申告の期限(還付申告は提出日)から5年間、提示を求められることがあります。医療費通知を付けた分は除きます。
- 本人確認書類を付け忘れる ― 本人確認ができないと、公金受取口座を使えません(国税庁のQ&A)。
- 控えを残さずに書面で出す ― 令和7年1月から、控えに収受日付印(受付の印)は押されません。
注意
国税庁は、必要に応じて控えを自分で作り、提出日を記録・管理するようお願いしています。令和8年9月24日の国税システムの更改に伴う様式の変更で、申告書の控用もなくなりました。書面で出す前に写しを取り、提出日を書き留めます。
e-Taxで出した場合は、受付の日時などを受信通知で確かめられます。
個人が受信通知を見るには、マイナンバーカード等の電子証明書が要ります。

ここまではご自身で、ここから先は個別判断です
書類集めと親ご本人への確認は、ご家族で進められます。
- 親ご本人に、誰に申告を頼むかを話し、同意を得る
- 届いた源泉徴収票・証明書・領収書を1か所にまとめてもらう
- 前年の申告書の控えと、親ご本人名義の口座を確かめる
- マイナンバーカードなど、本人確認書類の有無を確かめる
- 60秒見積りで、料金の目安を確かめる
一方で、申告が必要か、どの控除を使えるかは、親ご本人の事情で変わります。
家賃収入や不動産の売却、相続が重なる年は、必要な書類と計算も変わります。
親ご本人の意思の確認が難しい場合の進め方は、事情に応じた個別判断です。
税理士に頼むと変わるのは、ご家族の手間と提出までの段取りです
税理士が入ると、書類のご案内から提出と控えのお渡しまでを任せられます。
小松公認会計士・税理士事務所では、ご家族からのご依頼も受け付けています。
60秒見積りの内容を送ると、代表から正式なお見積りとご説明をメールでお送りします。
ご納得いただいてからのご契約で、その後は次の作業を行います。
- 親ご本人の所得と控除に合わせた、必要書類の一覧のご案内
- スマホで撮影した書類の受け取り(来所は不要です)
- 書類の確認と、足りない書類や事実についてのご質問
- 申告書の作成と、親ご本人・ご家族による内容の確認
- 税務代理権限証書を添えた、e-Taxでの代理送信
- 提出した申告書の控えのお渡し
証書で同意すると、税務調査の通知や結果の説明は、代理人の税理士に行われます(記載要領)。
全国どこからでも、オンラインで完結します。
料金の目安
料金は、基本料金32,000円(税込35,200円)に単価を足した額です。単価は、当てはまる所得・控除ごとに決まっています。個人の確定申告は、最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。
例:公的年金に、医療費控除とその他控除セット(社会保険料・生命保険料など)を使う場合です。32,000円+6,000円+6,000円+6,000円=50,000円(税込55,000円)です。最低料金に満たないため、最低料金の65,000円(税込71,500円)になります。
一定の前提を置いた目安です。ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。
この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること
制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。
登録者6,900人超
小松公認会計士・税理士事務所 代表
小松 優馬公認会計士・税理士
- お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
- 必要な書類のご案内から申告まで、まるごとお任せいただけます
- 料金は先にお見積り。全国どこでも、オンラインで完結できます
YouTube「税理士 小松ゆうまチャンネル」(登録者6,900人超)で、税金の話を分かりやすく解説しています。動画を見てみる
初回相談は無料です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 子どもが親の確定申告を税理士に頼むことはできますか?
弊所では、ご家族からのご依頼も受け付けています。ただし申告するのは親ご本人で、税務代理を委任するのも親ご本人です。税理士は、その権限を証する税務代理権限証書を税務署に出します(税理士法30条)。ご家族は、書類集めと連絡の窓口を担えます。
Q2. 親の還付金を、子どもの口座で受け取れますか?
国税庁のQ&Aは、振込先に申告者ご本人の氏名のみの口座を使うよう案内しています。親ご本人名義の口座を書きます(納税管理人を指定した場合は、その名義の口座です)。公金受取口座を登録済みなら、その口座も指定できます。
Q3. 親がマイナンバーカードで送信できなくても、e-Taxで出せますか?
税理士が代理送信する場合は、親ご本人の電子署名を省略できます(e-Taxホームページ)。税理士の電子署名だけで送信できます。書面で出す場合は、マイナンバーの記載と本人確認書類の提示か写しの添付が必要です(国税庁のQ&A)。
Q4. 書面で出した申告書の控えに、税務署の受付印はもらえますか?
令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印は押されません。国税庁は、必要に応じて控えを作り、提出日を記録・管理するようお願いしています。当分の間、希望すれば日付と税務署名を書いたリーフレットを受け取れます。郵送の場合は、切手を貼った返信用封筒を同封します。
免責事項
本記事は令和8年10月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法120条1項・226条3項、所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の所得税法120条6項・7項と同法附則10条、税理士法2条1項1号・30条、税理士法施行規則15条、タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」・No.2020「確定申告」・No.2030「還付申告」、国税庁の「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」(Q19・Q20・Q43・Q45)・「本人確認に関するFAQ」・「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」・「国税システムの更改について」・「H2-1 税務代理の権限の明示」と税務代理権限証書の記載要領、e-Taxホームページの電子署名等の一部省略の案内、日本年金機構の公的年金等の源泉徴収票の案内の内容を扱っています。申告が必要かどうかの判定(公的年金等の確定申告不要制度の要件)、医療費控除の対象と計算、親の医療費や介護費用を子どもが払った場合の扱い、扶養控除、亡くなった方の準確定申告、成年後見人など法定代理人による申告、ご家族が申告書を作成・提出する場合の税理士法上の扱い、ご家族が税務署の窓口へ持参する場合の本人確認、振替納税・公金受取口座の登録・マイナポータル連携・e-Taxの利用者識別番号の手続、還付金が振り込まれるまでの期間、令和8年分の申告書と税務代理権限証書の新様式の細目、証明書が届く時期、住民税の申告、国民健康保険料などへの影響、還付加算金、期限後申告・修正申告は扱っていません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の料金は所得・控除の内容によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- e-Gov法令検索「税理士法」(2条・30条)https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237
- 国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【税金の還付】」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/11.htm
- 国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/onatsu/index.htm
- e-Tax「e-Taxで申告等データを送信する際の電子署名等の一部省略について」https://www.e-tax.nta.go.jp/systemriyo/systemriyo2_shoryaku.htm
- 日本年金機構「年金から特別徴収されていない社会保険料は、源泉徴収の際に控除されないのでしょうか。」https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/uketori/tsuchisho/gensen/20140421-06.html
離れて暮らす親の確定申告を、ご家族からご依頼いただけます
申告書を出すのは親ご本人です。税理士が代理するときは、親ご本人の委任を証する税務代理権限証書を税務署に出します。還付金の振込先は、原則として親ご本人の氏名のみの口座です。代表税理士が、必要書類のご案内から書類の確認、申告書の作成まで対応します。e-Taxでの代理送信と、控えのお渡しも行います。書類はスマホで撮影して送れ、全国どこからでもオンラインで完結します。書類が届き始める前に、親ご本人と話してお申し込みください。
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