この記事のポイント
- 資本金1億円以下の法人などは、年800万円以下が15%(所得10億円超の事業年度は17%)
- 15%は令和9年3月31日までに開始する事業年度の特例で、超える部分は23.2%です
- 大法人の100%子会社など・適用除外事業者は15%を使えず、1年未満の期は800万円が月割り
- 地方税を含む負担は、一定の前提で所得800万円なら約196万円(約24.5%)です
まず結論:中小法人の法人税は、年800万円までが15%、超える部分が23.2%です
資本金1億円以下の会社などは、所得のうち年800万円以下の部分に軽い税率が使えます。
所得とは、税金の計算上のもうけです。15%は令和9年3月31日までに開始する事業年度の特例です。
法人税のほか、地方法人税・住民税・事業税なども加わります。
一定の前提で足し上げると、所得800万円の会社の税金は約196万円です。

法人税の税率は、23.2%・19%・15%の3つで決まります
基本の税率は23.2%です(法人税法66条1項)。
資本金1億円以下の法人などは、年800万円以下の部分が19%です(同条2項)。
これを15%に下げるのが、租税特別措置法(措置法)42条の3の2です。期間は次のとおりです。
平成二十四年四月一日から令和九年三月三十一日までの間に開始する各事業年度
(措置法42条の3の2第1項)
ただし、所得が年10億円を超える事業年度は、800万円以下の部分も17%です(同項の表)。
令和8年10月時点の条文では、期限は令和9年3月31日のままです。期限後に開始する事業年度は、条文が変わらなければ19%です。
| 会社の区分(事業年度終了の時) | 年800万円以下の部分 | 年800万円超の部分 |
|---|---|---|
| 資本金1億円以下の普通法人(下の2つを除く) | 15%(所得10億円超の事業年度は17%) | 23.2% |
| 適用除外事業者に当たる会社 | 19% | 23.2% |
| 大法人の100%子会社など・資本金1億円超の会社 | 23.2% | 23.2% |
(タックスアンサーNo.5759をもとに作成。通算法人を除く)
15%が使えないのは、大法人の100%子会社などと適用除外事業者です
資本金1億円以下でも、15%が使えない会社があります(措置法42条の3の2第1項)。
ひとつめは、資本金5億円以上の法人など(大法人)の100%子会社です(法人税法66条5項2号)。
ふたつめは、適用除外事業者です(措置法42条の4第19項8号)。
前3年以内に終了した事業年度の所得を年あたりにならした額が、15億円を超える会社です。
この会社は、800万円以下の部分が19%です。通算法人も、特例の対象外です。
注意
複数の大法人があわせて100%を持つ場合も外れます(法人税法66条5項3号)。株主構成と特例の関係は、みなし大企業の記事で扱っています。
15%が使えるかは、資本金だけでなく株主と過去3年の所得でも決まります。
法人税のほかに、地方法人税・住民税・事業税などが加わります
法人税額や所得をもとに、次の税が加わります。
| 税目 | もとになる額 | 標準税率と根拠 |
|---|---|---|
| 地方法人税 | 法人税額 | 10.3%(地方法人税法10条1項) |
| 防衛特別法人税 | 法人税額−年500万円 | 4%(防確法13条・14条) |
| 法人住民税(法人税割) | 法人税額 | 都道府県1.0%・市町村6.0%(地方税法51条1項・314条の4第1項) |
| 法人住民税(均等割) | 資本金等の額・従業者数 | 資本金等1,000万円以下・50人以下なら年7万円(同法52条1項・312条1項) |
| 法人事業税(所得割) | 所得 | 400万円以下3.5%・400万〜800万円5.3%・800万円超7.0%(同法72条の24の7第1項) |
| 特別法人事業税 | 事業税額(標準税率) | 37%(特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律7条) |
防衛特別法人税は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度からです(防確法11条)。
法人税額が年500万円以下なら0円ですが、申告は要ります。計算は防衛特別法人税の記事にあります。
補足
表の法人税額は、所得税額控除などを引く前の額です(地方法人税法6条・地方税法23条1項4号)。表は標準税率です。自治体の条例で、これより高い税率のこともあります(地方税法51条1項ただし書など)。資本金1,000万円以上で3以上の都道府県に事務所があると、所得割は一律7%です。
均等割は、所得がない赤字の年でもかかります。区分の見方は資本金の決め方の記事にあります。

数字で見る:所得800万円なら、税金の合計は約196万円です
一定の前提では、所得400万〜2,000万円なら税金は所得の約24〜32%です。
計算例
例:資本金等の額1,000万円以下・従業者50人以下・1年決算の会社で、所得800万円
法人税 8,000,000円 × 15% = 1,200,000円 地方法人税 1,200,000円 × 10.3% = 123,600円 防衛特別法人税 法人税額が500万円以下なので 0円 法人税割 1,200,000円 × (1.0% + 6.0%) = 84,000円 均等割 20,000円 + 50,000円 = 70,000円 事業税 4,000,000円 × 3.5% + 4,000,000円 × 5.3% = 352,000円 特別法人事業税 352,000円 × 37% = 130,240円 合計 1,959,840円(所得の約24.5%)| 所得 | 税金の合計 | 所得に対する割合 |
|---|---|---|
| 0円(赤字) | 70,000円(均等割のみ) | ― |
| 400万円 | 965,600円 | 約24.1% |
| 800万円 | 1,959,840円 | 約24.5% |
| 2,000万円 | 6,376,272円 | 約31.9% |
前提は、令和8年4月1日〜令和9年3月31日に開始する1年の事業年度で、事務所は1か所です。
標準税率で、税額控除・端数処理・事業税が申告期の損金になる効果は入れていません。
金額は一定の前提を置いた目安です。
800万円以下を19%で計算すると合計は2,335,200円で、375,360円増えます。
事業年度が1年未満なら、800万円の枠は月割りになります
設立1期目などで事業年度が短いと、800万円の枠も小さくなります。
事業年度が一年に満たない法人に対する第二項の規定の適用については、同項中「年八百万円」とあるのは、「八百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。
(法人税法66条4項)
月数は暦で数え、1か月に満たない端数は1か月とします(同条12項)。
計算例
例:令和8年10月1日設立・令和9年3月31日決算(6か月)で、所得600万円
800万円の枠 8,000,000円 ÷ 12 × 6 = 4,000,000円 法人税 4,000,000円 × 15% + 2,000,000円 × 23.2% = 1,064,000円 月割りを忘れると 6,000,000円 × 15% = 900,000円(164,000円少ない)法人事業税の400万円・800万円の区分も月割りです(地方税法72条の24の7第6項)。
設立1期目の試算は、事業年度の月数を数えるところから始めます。

税額がずれるのは、次のような見落としです
次の見落としは、どれも税額を変えます。
- 1年未満の期で、800万円の枠を月割りしていない ― 6か月なら枠は400万円です。
- 自社の資本金だけを見ている ― 大法人に100%を持たれると、15%も19%も使えません。
- 赤字なので税金はないと考えている ― 均等割は赤字でもかかります。
どれも、決算の前に資本金・株主・月数を確かめれば気づけます。
ここまではご自身で、ここから先は個別判断です
ご自身で確かめられるのは、次の4点です。
- 事業年度終了の日の資本金の額を、登記事項証明書で確かめる
- 株主に法人がいれば、その法人の資本金と持株割合を確かめる
- 事業年度の月数を、暦どおりに数える
- 事務所のある自治体の税率を、その自治体の案内で確かめる
大きな会社の100%子会社などは、資本金1億円以下でも外形標準課税の対象になり得ます。
所得以外にもかかる事業税です(総務省「法人事業税」)。
こうした判定と試算は、会社ごとの事実で結論が変わる個別判断です。

税理士が入ると変わるのは、決算前に納税額の見通しが立つことです
小松公認会計士・税理士事務所では、決算の前に次の作業を行います。
ひとつめは、所得の見込みから税目ごとの税額を試算し、一覧にします。
ふたつめは、15%が使えるかの判定です。資本金・株主・前3年の所得を書面で確かめます。
みっつめは、事業年度の月数と、800万円・400万円の枠の月割りの確認です。
よっつめは、自治体ごとの税率の確認と、防衛特別法人税を含めた申告書への反映です。
この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること
制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。
登録者6,900人超
小松公認会計士・税理士事務所 代表
小松 優馬公認会計士・税理士
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初回相談は無料です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 中小企業の法人税の税率は何%ですか?
資本金1億円以下の法人などは、年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.2%です。大法人の100%子会社など・適用除外事業者は除かれます(タックスアンサーNo.5759)。15%は令和9年3月31日までに開始する事業年度の特例で、所得10億円超の事業年度は17%です。
Q2. 15%の特例が使えないのは、どんな会社ですか?
大法人(資本金5億円以上の法人など)の100%子会社などは、15%も19%も使えません。所得の全部が23.2%です(法人税法66条5項)。前3年の所得を年あたりにならした額が15億円を超える適用除外事業者は、19%です。通算法人も特例の対象外です。
Q3. 設立1期目が6か月の場合、800万円の枠はどうなりますか?
事業年度が1年に満たないときは、800万円を12で割り、月数を掛けます(法人税法66条4項)。6か月なら400万円です。1か月に満たない端数は1か月と数えます(同条12項)。法人事業税の400万円・800万円の区分も月割りです。
Q4. 赤字の年でも、会社に税金はかかりますか?
法人税・地方法人税・法人税割・事業税(所得割)は、所得や法人税額に税率をかけます。所得がなければ、計算上0円です。ただし法人住民税の均等割は、赤字でもかかります。資本金等の額1,000万円以下・従業者50人以下なら、標準税率で年7万円です。
免責事項
本記事は令和8年10月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。法人税法66条1項・2項・4項・5項・12項、租税特別措置法42条の3の2第1項・42条の4第19項8号、地方法人税法6条1項1号・10条1項、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(防確法)11条・13条・14条、地方税法23条1項4号・51条1項・52条1項・72条の24の7第1項・5項・6項・312条1項・314条の4第1項、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律7条、国税庁タックスアンサーNo.5759「法人税の税率」、総務省「法人住民税」「法人事業税」の内容を扱っています。事業税の損金算入の時期(法人税基本通達9-5-1)は、計算例の前提として触れただけです。通算法人(グループ通算制度)・協同組合等・公益法人等・特定の医療法人の税率、適用除外事業者の判定で政令が定める調整(設立後3年を経過していない場合など)、完全支配関係の判定の細目、みなし大企業の判定基準は扱っていません。外形標準課税の対象となる法人の範囲と付加価値割・資本割、都道府県・市町村ごとの超過税率、複数の自治体に事務所がある場合の分割基準、資本金等の額の計算も扱っていません。防衛特別法人税の計算の細目と申告・納付の手続、中間申告、特定同族会社の留保金課税、税額控除、欠損金の繰越控除、端数処理、事業税の損金算入を織り込んだ実効税率、15%の特例の期限後の改正の見通しも扱っていません。記事中の計算例は、一定の前提を置いた目安です。実際の税額は、会社ごとの事実と自治体の税率で変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- 国税庁 タックスアンサー No.5759「法人税の税率」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5759.htm
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」(42条の3の2)https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026
- e-Gov法令検索「法人税法」(66条)https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034
- 総務省「法人住民税」(地方税制度)https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_08.html
- 総務省「法人事業税」(地方税制度)https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_09.html
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中小法人の法人税は、年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.2%です。15%は令和9年3月31日までに開始する事業年度の特例です。大法人の100%子会社などや適用除外事業者は15%を使えず、1年未満の期は800万円が月割りです。代表税理士が、15%が使えるかの判定と月数の確認を行います。地方法人税・住民税・事業税・防衛特別法人税を含め、税目ごとに試算します。申告書への反映まで通して対応しますので、決算の前の段階でご相談ください。
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