確定申告

ふるさと納税で確定申告が必要なのはどんなとき?
ワンストップ特例が無効になる人

この記事の答え

  • ワンストップ特例を使えない人は、控除を受けるために確定申告が必要です。
  • 医療費控除などで確定申告をする人は、特例の申請が無効になり、寄附を全部書きます。
  • 6万円の寄附を書き忘れたままだと、5万8千円の控除を受けられません(上限内の場合)。
小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

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ふるさと納税で確定申告が必要なのは、どんなときですか

ふるさと納税の返礼品
控除を受けるには手続きが要ります

ワンストップ特例を使えない人は、控除を受けるために確定申告が必要です。

ワンストップ特例とは、確定申告が不要な会社員などが、寄附先へ申請書を出す仕組みです。寄附先が5団体以内なら、確定申告をしなくても控除を受けられます。

図1 あなたは確定申告が必要? 30秒チェック
質問1 医療費控除などのために、確定申告をする予定はありますか?住宅ローン控除の1年目や、不動産を売って利益が出た年も同じです。マイホームの3,000万円の特別控除で、税金が0円になる年も含みます。
はい確定申告が必要です。申請済みでも無効です
いいえ質問2へ進みます
質問2 「給与は1か所で年収2,000万円以下」「給与以外の所得なし」の両方に当てはまりますか?銀行の利息や、源泉徴収ありの特定口座で申告しない利益・配当は数えません。年の途中の転職は、年末調整で前の会社の分も合わせていれば1か所と数えます。年金以外の所得がなく、確定申告が不要な年金の人は、質問3へ進みます。
はい質問3へ進みます
いいえ確定申告が必要です
質問3 寄附先は5団体以内で、寄附のたびに申請書を出しましたか?同じ自治体への寄附は、何回でも1団体と数えます。申請書の期限は寄附先の案内で確かめます。翌年1月10日必着とする案内があります。
はい確定申告は不要です
いいえ確定申告が必要です

「確定申告が必要」は、所得税と住民税の両方で控除を受ける場合です。年末調整などで所得税が0円で、住民税からだけ控除を受ける人は、住民税の申告書を市区町村に出します。

申請後、寄附した年のうちに別の市区町村へ転居した人は、翌年1月10日までに寄附先へ届け出ます。届け出ないと、特例は適用されません。

給与以外の副業の所得が年20万円以下の会社員も、ワンストップ特例は使えません。所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告は必要だからです。

国税庁の確認シートでも「適用ができません」となります。確定申告をするときは、20万円以下の副業の所得も書きます。

確定申告に書き忘れると、いくら損をしますか

住宅ローン控除の資料のファイルと電卓
住宅ローン控除の1年目も、確定申告をする年です

書き忘れたままだと、寄附額から2,000円を引いた分の控除を受けられません(上限の範囲内の場合)。確定申告をすると、その年のワンストップ特例の申請が全部無効になるからです。

医療費控除だけのための申告でも同じです。住民税の申告をしたときも無効になります。確定申告をする人は、申請した分も含めて、その年の寄附を全部書きます。

失敗の例

会社員のAさんは、控除の上限の範囲内で、3団体に合計6万円を寄附し、申請書も出しました。その後、医療費控除のために確定申告をしましたが、寄附を書きませんでした。

申請は無効なので、このままではAさんは5万8千円の控除を受けられません。

図2 6万円を寄附したAさんの負担
本来の自己負担(2,000円)受けられない控除(5万8千円)
書いた人
2,000円
忘れた人
6万円

次の段落の内訳も含め、寄附が上限の範囲内である場合の、一定の前提を置いた目安です。返礼品の価値は含めていません。

Aさんの所得税の税率を10%とします。書いていれば、所得税が約6千円、翌年度の住民税が約5万2千円減りました。

書き忘れに気づいたら、いつまで直せますか

2つのトレーに分けて置かれた書類
手続きは2つに分かれます

手続きと5年の数え始めの日は、その年の確定申告書を出したかどうかで変わります。

申告の期限(原則翌年3月15日)までなら、確定申告書を作り直して出せます。先の申告の還付の処理が済むと、作り直せないことがあります。その場合は税務署に相談します。

期限を過ぎたら、図3のとおりです。

図3 書き忘れを直す手続きと期限

確定申告書を出した年

  • 更正の請求をします。税金を直すよう税務署に求める手続きです
  • 期限は原則、申告の期限から5年以内です
  • 還付申告をした年は、原則、提出した日から5年以内です

確定申告書を出していない年

  • 還付申告をします。納めすぎた税金を取り戻す申告です
  • 確定申告の義務がない人は、翌年1月1日から5年間出せます
  • その場合の最後の日は、令和3年分が令和8年12月31日、令和4年分が令和9年12月31日です

控除を足しても所得税の額が変わらない年は、更正の請求ができません。この場合は、お住まいの市区町村に相談してください。

源泉徴収などで納めた所得税がない人は、還付申告をしても所得税は戻りません。確定申告の義務がある人が出していない年は、期限を過ぎて出す期限後申告です。e-Taxは年末年始に休止し、令和8年は12月28日までの予定です。

Aさんは更正の請求をします。Aさんの申告は税金が戻る還付申告なので、5年は提出した日から数えます。

住民税の分が直る時期や方法は、お住まいの市区町村に確かめてください。

確定申告書のどこに書きますか。自分でできますか

寄附金の証明書とパソコン
寄附の証明書をそろえて書きます

確定申告書の第二表の2か所に書きます。

  • 「寄附金控除に関する事項」:寄附先の名称と金額
  • 「住民税・事業税に関する事項」の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」:寄附の金額

2つ目の欄が空いていると、住民税で控除されないことがあります。

第一表の「寄附金」の欄には、寄附の合計から2,000円を引いた額を書きます(上限の範囲内の場合)。

給与に、医療費控除とふるさと納税を足すだけの申告なら、ご自身でも進めやすい形です。次の人は、ここから先が個別判断です。

  • 副業・株式・不動産の売却などの所得もある人
  • 住宅ローン控除と重なる人や、上限を超えたかもしれない人
  • 書き忘れた年が何年かある人

小松公認会計士・税理士事務所では、受領証と寄附の一覧を照合し、2か所の欄に全部書きます。書き忘れた年があれば、年分ごとに更正の請求か還付申告かを分けます。ほかの所得も含めて計算し、電子申告まで行います。

料金の目安

基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。

例は、給与所得・医療費控除・ふるさと納税の1年分です。32,000円+6,000円+6,000円+6,000円=50,000円(税込55,000円)です。65,000円に満たないため、最低料金の65,000円(税込71,500円)になります。計算例は一定の前提を置いた目安です。

更正の請求も同じ料金体系です。ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 申請書の期限に間に合わなかったら、控除は受けられませんか?

確定申告をすれば受けられます。確定申告の義務がない人は、寄附の翌年1月1日から5年間、還付申告を出せます。源泉徴収などで納めた所得税がない人は、申告しても所得税は戻りません。

Q2. 確定申告には、どんな書類が必要ですか?

寄附先の受領証を使います。国税庁が指定した事業者の「寄附金控除に関する証明書」でも構いません。確定申告書に添付するか、提出のときに提示します。

Q3. ワンストップ特例と確定申告で、どの税金から減るかは違いますか?

違います。ワンストップ特例は、全額が翌年度の住民税から減ります。確定申告は、所得税の分が減り、残りは翌年度の住民税から減ります。上限の範囲内なら、自己負担はどちらも2,000円です。

Q4. 副業の所得が20万円以下で、住民税の申告だけをしたらどうなりますか?

ワンストップ特例の申請は無効になります。住民税の申告書に寄附を書けば、住民税の控除は受けられます。所得税の控除も受けるには、確定申告をします。その申告には、20万円以下の副業の所得も書きます。

免責事項

本記事は令和8年11月時点の法令・国税庁の公表資料(総務省・地方公共団体の公表資料を含みます)に基づく一般的な解説です。控除の上限は、所得やほかの控除の状況によって一人ひとり異なります。記事中の金額は一定の前提を置いた目安で、実際の控除額を保証するものではありません。ワンストップ特例の申請書の期限や提出方法は、寄附先の自治体の案内をご確認ください。住民税の扱いの細部は、お住まいの市区町村にご確認ください。具体的な判断は税理士にご確認ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・判例出典

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小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者7,000人超)。

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