確定申告

予定納税を確定申告で差し引き忘れたら
二重に納めた分の取り戻し方と期限

この記事の答え

  • 書き忘れは、期限内なら出し直し、期限後は更正の請求で還付を求めます(原則5年以内)
  • 通知が届いた人は、通知書の合計欄の金額(減額の承認後は減額後の額)を書きます
  • 例:予定納税12万1,200円を書き忘れると、同じ額を多く納めます(一定の前提の目安)
小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

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予定納税をした人は、確定申告で予定納税額を差し引きます

予定納税は、その年の所得税などの一部を、前もって納める仕組みです。納める時期は、原則として7月と11月です。前もって納めた分は、翌年の確定申告で差し引いて精算します。差し引き忘れると、予定納税の分だけ、税金を多く納めることになります。

前もって納めた予定納税は、確定申告で差し引いて精算します
前もって納めた予定納税は、確定申告で差し引いて精算します

国税庁は、予定納税額の通知書の合計欄の金額を、忘れずに申告するよう案内しています。申告がないと、納める税金が多く計算されてしまうためです。

計算例

例:アパートを貸している大家のAさん

Aさんが確定申告書で計算した令和8年分の税額は、18万7,900円です。予定納税は、7月と11月に6万600円ずつ、合わせて12万1,200円を納めました。

18万7,900円 − 12万1,200円 = 6万6,700円

正しく差し引けば、3月に納めるのは6万6,700円です。数字は国税庁の資料の記入例にそろえた、一定の前提を置いた目安です。

図1 Aさんが令和8年分として納める税金の合計
予定納税(7月・11月)3月に納める税金
正しく差し引く
18万7,900円
差し引き忘れ
30万9,100円

差し引き忘れると、予定納税の12万1,200円を二重に納めます。Aさんの例で、一定の前提を置いた目安です。

令和8年分の予定納税額は、令和8年度の税制改正による基礎控除の見直しを考慮していません。国税庁は、見直しは確定申告で反映し、精算すると案内しています。予定納税の仕組みや減額の申請は、予定納税の記事で解説しています。

国税庁が注意を促すのは、書き忘れと金額の取り違えです

書くのは、通知書の合計欄の金額です
書くのは、通知書の合計欄の金額です

確定申告書の「予定納税額」の欄には、通知書の合計欄の金額を書きます。国税庁の手引きでは、実際に納めたかどうかにかかわらず、通知された金額を書くとしています。減額の申請が承認された人は、減額後の金額を書きます。

図2 「予定納税額」の欄に書く金額、書かない金額

書く金額

  • 通知書の合計欄の金額
  • まだ納めていない分も含む、通知された金額
  • 減額が承認された人は、減額後の金額

書かない金額

  • 給与や年金などから源泉徴収された税金
  • ふるさと納税の寄附金額
  • 住民税や健康保険の金額

注意

Bさん:11月分をまだ納めていないので、7月分だけを書きました。差し引く額が少なくなり、3月に多く納めることになります。

Cさん:減額が承認されたのに、最初の通知の金額を書きました。差し引きすぎて、納める税金が足りなくなります。

通知書は、6月(一部の人は10月)に、書面かe-Taxで届きます。e-Taxを使う人は、メッセージボックスのお知らせでも金額を確かめられます。

気づいた時期と誤りの向きで、直し方が変わります

更正の請求は、原則として申告期限から5年以内です
更正の請求は、原則として申告期限から5年以内です

申告期限までなら、正しい確定申告書を作り直して出し直せます。令和8年分の申告期限は、令和9年3月15日(月)です。期限内に2回以上出したときは、原則として最後に出した申告書が使われます。

期限の後に、書き忘れや少なく書いたことに気づいたら、更正の請求をします。更正の請求は、納めすぎた税金を正しい額に直すよう求める手続きです。できる期間は、原則として申告期限から5年以内です。税務署が内容を検討し、納めすぎと認めれば、税金が還付されます。

反対に、期限の後に予定納税額を多く書いたと気づいたら、修正申告をします。修正申告は、納める税金が少なかったときに、正しい額に直す申告です。増えた税金には、延滞税がかかることがあります。国税庁は、誤りに気づいたら、できるだけ早く修正申告をするよう案内しています。

図3 あなたの直し方は?
質問1 令和8年分の申告期限(令和9年3月15日)までですか?
はい正しい申告書を作り、期限までに出し直します
いいえ質問2へ進みます
質問2 書いた予定納税額は、通知書の金額より少ないですか?書き忘れも「はい」です。減額が承認された人は、減額後の金額と比べます。
はい更正の請求をします(原則として期限から5年以内)
いいえ(多い)修正申告をします

先に出した申告書が還付申告で、還付の処理が済んでいると、出し直しの扱いができないことがあります。

所得や控除の誤りも一緒に直すときは、確定申告を間違えたときの記事もご覧ください。

金額の確認まではご自身で、直し方は個別に判断します

まずはご自身で、通知書と提出した申告書の金額を比べます。減額の承認を受けたかどうかも、承認の通知書で確かめます。

更正の請求の理由の書き方と添付する書類は、個別の判断になります。所得や控除にほかの誤りがあるときの直し方も同じです。

小松公認会計士・税理士事務所では、代表(公認会計士・税理士)が書類の作成と電子申告を担当します。更正の請求と修正申告も、確定申告と同じ料金の決まり方でお引き受けしています。必要な書類は、弊所からご案内します。資料はスマホで撮影して送れるので、全国どこからでもオンラインで完結します。

料金の目安

基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。

通常料金での計算例です。会社員で物件は1つ、家賃収入は年300万円以下、消費税の申告と記帳代行はない前提です。内訳は、基本料金、家賃収入35,000円、給与所得6,000円、その他控除セット6,000円です。合計は79,000円(税別)で、税込では86,900円です。一定の前提を置いた目安です。

ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。

この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること

制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。

小松公認会計士・税理士事務所 代表 小松優馬 登録者6,900人超

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あわせて読みたい

よくある質問(FAQ)

Q1. 11月分の予定納税をまだ納めていません。確定申告書にはいくら書きますか?

国税庁の手引きでは、実際に納めたかどうかにかかわらず、通知書の合計欄の金額を書きます。減額の承認を受けた人は、減額後の金額を書きます。なお、予定納税の納付が納期限に遅れると、納期限の翌日から納付の日まで延滞税がかかります。

Q2. 予定納税額の通知書が見つかりません。ほかに確かめる方法はありますか?

国税庁の手引きでは、税務署から「確定申告のお知らせ」などが届いた人は、そこにも予定納税額が表示されています。e-Taxを使う人は、メッセージボックスのお知らせでも確かめられます。

Q3. 予定納税額のほうが、確定申告で計算した税額より多いときはどうなりますか?

差し引いた結果がマイナスになり、その分は還付されます。還付は、確定申告書の提出を受けて行われます。予定納税額を書き忘れた申告書には、この還付の額が載りません。期限の後なら、更正の請求で直します。

Q4. 更正の請求は、自分でもできますか?

できます。国税庁の「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で作り、e-Taxか書面で出せます。ほかの誤りもあるときや、理由の書き方に迷うときは、税理士への依頼もご検討ください。

免責事項

本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法104条〜114条・120条・128条・139条、国税通則法19条・23条、国税庁タックスアンサーNo.2040「予定納税」・No.2026「確定申告を間違えたとき」、国税庁「令和8年分 予定納税について」、「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」、令和7年分の確定申告の手引きと確定申告書等作成コーナーの案内(予定納税額の欄の書き方)、弊所の料金表の内容を扱っています。特別農業所得者の予定納税、予定納税額の計算と減額の申請、予定納税の延滞税の計算、亡くなった人や出国する人の申告、更正の請求に添付する書類の細目、更正の請求をした後の納付と徴収の扱い、還付加算金、修正申告に係る加算税の細目は扱っていません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の税額は所得や控除の内容によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・出典

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小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。判例ベースの適正申告・節税にこだわり、お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者7,000人超)。

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