不動産所得

相続した賃貸物件の確定申告を税理士に頼む流れと費用
3つの申告の順番と書類

この記事の答え

  • 申告は3つです。亡くなった方の申告、分け方が決まる前の家賃の申告、毎年の申告の順に進めます
  • 遺言がなく分け方が未定の間は、相続人それぞれが法定相続分で家賃を申告します
  • 通常料金の例:会社員で家賃300万円以下の1物件は、年79,000円(税込86,900円)が目安です
小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

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相続した賃貸物件の申告は、3つに分かれます

賃貸物件を相続すると、確定申告は大きく3つに分かれます。最初に進めるのは、亡くなった方の申告です。期限は、相続の開始(亡くなったこと)を知った日の翌日から4か月以内です。

申告は3つの段階で進みます
申告は3つの段階で進みます
図1 3つの申告の順番(遺言がない場合)
  1. 亡くなった方の申告(準確定申告)
    1月1日から亡くなった日までの分。相続人が、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に出します
  2. 分け方が決まる前の家賃の申告
    亡くなった日より後の分。相続人それぞれが、原則として翌年3月15日までに出します
  3. 毎年の申告
    分け方が決まった後の分。物件を受け継いだ人が、原則として翌年3月15日までに出します

いずれも、申告が必要な所得があるときです。1月1日から確定申告の期限までに亡くなり、必要な前年分が未提出なら、前年分も1と同じ期限です。

父Aさんが令和8年5月10日に亡くなり、相続人がその日に知った例で考えます。期限は、亡くなった方の申告が令和8年9月10日、相続人の令和8年分の申告が令和9年3月15日です。

控除の扱いなどは、準確定申告の記事で解説しています。

遺言がなければ、分け方が決まる前の家賃は相続人それぞれが申告します

分け方が決まるまでの家賃を確かめます
分け方が決まるまでの家賃を確かめます

遺言がなく、分け方が決まっていない間の家賃は、相続人それぞれが法定相続分で申告します。法定相続分とは、民法で決まった相続の割合です。遺言があるときは、扱いが変わることがあります。

たとえば、父Aさんが令和8年5月10日に亡くなり、相続人は母、長男Bさん、長女の3人とします。遺言はなく、年末まで分け方は決まりませんでした。家賃は毎月20万円で、契約上の支払日は毎月末です。

図2 年240万円の家賃の分かれ方(例)
Aさん
80万円
母
80万円
長男B
40万円
長女
40万円

Aさんの分は、亡くなった方の申告に入れる4回分です。残り8回分の160万円を、母に2分の1、子2人に4分の1ずつ分けます。

家賃から経費を引いた所得も、相続人の間では同じ割合で分かれます。亡くなった日の前か後かは、支払日が決まっていれば、入金日ではなくその支払日で分けるのが原則です。この例は一定の前提を置いた目安です。

注意

Bさんの家族が、次のように進めると誤りになります。

Bさんの口座に家賃が入るので、Bさんが全額を申告する ― 国税庁の資料も、長男の口座に入る例で法定相続分の申告としています。

分け方が決まるまで申告を待つ ― 決まっていなくても、法定相続分で申告します。

分け方が決まった後で、前の年の申告を直す ― 分割の確定を理由に、申告を直すことはできません(国税庁の資料)。

書類は、亡くなった方の申告の分から集めます

亡くなった方の書類を最初に集めます
亡くなった方の書類を最初に集めます

亡くなった方の申告で集めた賃貸の書類は、相続人の申告でも使います。

申告そろえる主な書類
3つに共通家賃の入金明細、管理会社の報告書、賃貸借契約書、固定資産税の納税通知書、修繕の請求書、借入金の返済予定表
亡くなった方の申告前年の確定申告書・決算書の控え、年金や給与の源泉徴収票、相続人全員の氏名・住所・続柄
分け方が決まる前の家賃の申告相続人と法定相続分が分かる資料、会社員の方は源泉徴収票
毎年の申告分け方が決まったことが分かる書類(遺産分割協議書の写しなど)、建物を買ったときの売買契約書

前年の控えが要るのは、減価償却の数字(買った値段や使える年数など)を引き継ぐからです。減価償却とは、建物の代金を年ごとに分けて経費にすることです。

ただし、前年の金額を書き写すだけでは合わないことがあります。平成19年3月以前に買った建物は、相続人が今の計算方法(定額法)で計算し直すためです。

料金と依頼の流れ:順番の整理から提出まで任せられます

申告は整理から提出まで任せられます
申告は整理から提出まで任せられます

税理士に頼むと、誰がどの年分を申告するかの整理から、申告書の提出まで任せられます。

図3 ご自身で進められること、個別判断になること

ご自身で進められること

  • 遺言の有無と相続人を確かめる
  • 家賃の明細などの書類を集める
  • 前年の確定申告書の控えを探す

個別判断になること

  • 亡くなった日の前後で家賃と経費を分ける
  • 減価償却の引き継ぎの計算
  • 青色申告の申請の要否と期限
  • 店舗や駐車場の家賃の消費税

小松公認会計士・税理士事務所では、代表(公認会計士・税理士)が最初から最後まで作成します。家賃と経費の集計、減価償却費の計算、申告書の作成と電子申告を弊所が行います。

ご依頼は、全国どこからでもオンラインで完結します。弊所は、遺産分割協議書の作成や相続登記の手続はお引き受けしていません。

依頼の流れは次のとおりです。

  1. 60秒見積りの内容を代表に送ると、2日以内に正式なお見積りが届きます
  2. 20分ほどの初回相談で、ご状況を確かめます
  3. お申し込みのあと、必要な資料の一覧をご案内します。資料はスマホで撮影してアップロードできます
  4. 代表が申告書を作成し、ご確認いただいてから、弊所が電子申告で提出します

料金の目安

基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。

家賃収入の料金は、物件ごとの1年分の家賃収入(経費を引く前)で決まります。300万円までは35,000円(税込38,500円)です。給与所得とその他控除セット(社会保険料・扶養など)は、各6,000円(税込6,600円)です。料金には、申告書の作成と電子申告、必要書類のご案内が含まれます。

通常料金での計算例です。会社員の長男Bさんの令和8年分で、物件は1つ、消費税の申告と記帳代行はない前提です。合計は32,000円+35,000円+6,000円+6,000円=79,000円(税別)です。税込では86,900円です。計算例は一定の前提を置いた目安です。

亡くなった方の申告も同じ料金体系で、相続人の申告とは別に計算します。ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。

物件が2つ以上ある場合は、家賃収入の費用の記事をご覧ください。

この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること

制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。

小松公認会計士・税理士事務所 代表 小松優馬 登録者6,900人超

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  • お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
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よくある質問(FAQ)

Q1. 亡くなった方の申告と相続人の申告は、まとめて頼めますか?

弊所は、亡くなった方の申告も相続人の毎年の申告もお引き受けしています。どちらも同じ料金体系ですが、申告は別々なので、料金も申告ごとに計算します。遺言がなく分け方が決まる前は、申告が必要な相続人ごとの申告になります。

Q2. 分け方が決まったら、前の年の申告を直しますか?

国税庁の資料では、分割の確定を理由とする更正の請求や修正申告はできないとされています。決まる前の分はそのままで、決まった後の家賃は、物件を受け継いだ人が申告します。

Q3. 取り分の家賃が少ない会社員も、確定申告は必要ですか?

給与が1か所で全部が源泉徴収の対象なら、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下(家賃は経費を引いた額)のとき、原則として不要です。給与の収入が2,000万円を超える人などは必要です。住民税の申告は市区町村に確かめてください。

Q4. 相続人が青色申告をしたいときは、いつまでに申請しますか?

まだ承認を受けていない人が相続で初めて貸付けを始める場合、亡くなった方が青色申告者なら、8月31日までの死亡は死亡の日から4か月以内です。9月以後は期限が変わります。白色申告者なら、1月16日以後の承継は承継の日から2か月以内です。

免責事項

本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法124条・125条・144条・147条、所得税法施行令126条2項、所得税基本通達144-1、民法900条、国税庁タックスアンサーNo.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」・No.1376「不動産所得の収入計上時期」・No.2070「青色申告制度」・No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」・No.2020「確定申告」、質疑応答事例「平成19年4月1日以降に相続により減価償却資産を取得した場合」「相続により取得した減価償却資産の耐用年数」、弊所の料金表の内容を扱っています。遺言がある場合の申告、年の途中で分け方が決まった場合の計算、誤って申告した場合の直し方、相続放棄や限定承認がある場合、亡くなった年の減価償却の月割りの計算、必要経費の振り分けの細目、敷金の引き継ぎ、店舗・駐車場の消費税、個人事業の開業・廃業の届出、住民税の申告、相続税の申告、賃貸物件の売却の税金、令和9年分以後の青色申告特別控除の見直しは扱っていません。青色申告の申請期限は主な例だけを示しており、亡くなった方の区分と亡くなった日ごとの期限の全部は書いていません。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の金額は家賃や控除の内容によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・出典

相続した賃貸物件の申告を、順番の整理から任せませんか

相続した賃貸物件の申告は、誰がどの年分を申告するかの整理から始まります。亡くなった方の申告には4か月の期限があり、遺言がなければ、分け方が決まる前の家賃は相続人それぞれの申告になります。弊所が、家賃と経費の集計、減価償却費の計算、申告書の作成と電子申告を担当します。全国どこからでもオンラインで完結します。料金は60秒見積りで確かめられますので、亡くなった方の申告の期限に間に合うよう、ご依頼をご検討ください。

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小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。判例ベースの適正申告・節税にこだわり、お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者7,000人超)。

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