不動産所得

共有名義の賃貸物件の確定申告
夫婦・親子2人分をまとめて頼む流れと費用

この記事の答え

  • 家賃は原則として持分で分かれ、申告書は必要な人が1人ずつ出します。依頼は2人分まとめてできます
  • 給与が1か所で全部源泉徴収の会社員は、給与・退職金以外の所得が20万円超なら原則として申告します
  • 通常料金の目安:会社員で家賃年240万円の1室は、1人目が79,000円(税込86,900円)。2人目の料金はご相談時にご案内します
小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

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共有の物件でも、確定申告書は1人に1通です

夫婦や親子で共有する賃貸物件の家賃は、原則として持分の割合で、それぞれの所得になります。そのため、申告が必要な人が1人ずつ、自分の確定申告書を出します。依頼は、2人分をまとめて任せられます。持分とは、不動産を複数の人で持つときの所有権の割合です。

申告書は、必要な人が1人ずつ出します
申告書は、必要な人が1人ずつ出します

たとえば、会社員の夫Aさんと妻Bさんが、マンション1室を2分の1ずつ共有しています。家賃は年240万円で、貸主の名義と入金先はAさんです。

この場合も、Bさんが単なる名義人でなければ、Aさんが全額を申告するのではありません。夫婦の共有でも、夫の口座に入る賃料の妻の分を、持分で計算した国税不服審判所の判断があります。親子の共有物件の判決でも、貸主と入金先は親でした。ただ、親子とも家賃を分けて申告しており、家賃は持分の割合で分けるとされました。

この判決は名古屋地方裁判所の令和4年6月2日のもので、控訴審でも維持され確定しています。

2人とも申告が要るとは限りません。要否は、持分で分けた後の所得で、1人ずつ判定します。

図1 会社員の共有者の確定申告の目安
質問1 給与は1か所からで、全部が源泉徴収の対象ですか?給与の年収が2,000万円超なら、原則として確定申告が必要です。
はい質問2へ進みます
いいえ別の基準で判定します
質問2 家賃から経費を引いた額など、給与と退職金以外の所得の合計は、20万円以下ですか?
はい原則として確定申告は不要です
いいえ原則として確定申告が必要です

同族会社の役員がその会社から賃貸料を受け取る場合などは、20万円以下でも原則として必要です。給与がない人や年金の人には、別の基準があります。住民税の申告は、市区町村に確かめてください。

資料は、2人で共通のものと1人ずつのものに分けます

物件の資料は、2人で1組にまとめます
物件の資料は、2人で1組にまとめます

物件の資料は2人で1組にまとめ、給与や控除の資料は1人ずつ用意します。

図2 共通の資料と1人ずつの資料(主な例)

2人で共通(物件の資料)

  • 家賃の入金明細・管理会社の報告書
  • 賃貸借契約書
  • 購入時の売買契約書
  • 固定資産税の納税通知書
  • 修繕の請求書・管理費の明細
  • 火災保険料の資料

1人ずつ(本人の資料)

  • 前年の確定申告書・決算書の控え
  • 給与の源泉徴収票
  • 社会保険料などの控除の資料
  • 借入金の返済予定表(借りた人の分)

持分は、法務局などで取れる登記事項証明書(登記の内容を証明した書面)で確かめます。

固定資産税の納税通知書は、1通しか届かないことがあります。東京都の案内では、23区の場合、登記で1番上に書かれた人に届き、ほかの共有者には届きません。

前年の控えは、建物の代金を年ごとに経費にする計算(減価償却)を、1人ずつ引き継ぐために使います。

ここまではご自身で、ここから先は個別判断です

夫婦や親子で、まず持分を確かめます
夫婦や親子で、まず持分を確かめます

持分の確認と資料の仕分けは、ご自身で進められます。持分どおりに分けにくいときは、個別の判断になります。

図3 ご自身でできることと個別判断になること

ご自身で進められること

  • 登記事項証明書で持分を確かめる
  • 物件全体の家賃と経費を書き出す
  • 2人の給与や控除を書き出す
  • 資料を共通と1人ずつに分ける

個別判断になること

  • ローンの名義や負担が持分と違う
  • 名義だけの共有者がいる
  • 年の途中で持分が変わった
  • どちらが青色申告にするか
  • 店舗や駐車場の家賃の消費税

注意

判決の親子は、次の進め方を認められませんでした。

部屋ごとに分ける ― 「2室は子、残りは親」という申告は、持分の割合に直されました。区分の登記はありませんでした。

固定資産税を払った人が全額を経費にする ― 自分の負担分を超える額は、経費と認められませんでした。

料金と依頼の流れ:2人分をまとめて任せられます

物件が1つでも、申告書は必要な人ごとです
物件が1つでも、申告書は必要な人ごとです

税理士に頼むと、物件の資料の集計から2人分の提出まで任せられます。小松公認会計士・税理士事務所では、代表(公認会計士・税理士)が最初から最後まで作成します。

家賃と経費の集計、減価償却費の計算、2人分の申告書の作成と電子申告を弊所が行います。ご依頼は、全国どこからでもオンラインで完結します。

  1. 60秒見積りに1人分ずつ入力して代表に送ります。備考の欄に、共有の旨と持分を書いてください
  2. 2日以内に、代表から正式なお見積りが届きます。20分ほどの初回相談で、ご状況を確かめます
  3. お申し込みのあと、必要な資料の一覧をご案内します。資料はスマホで撮影してアップロードできます
  4. 代表が2人分の申告書を作成し、ご確認いただいてから、弊所が電子申告で提出します

料金の目安

基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。ここでは、1人目の目安を示します。

家賃収入の料金は、物件ごとの1年分の家賃収入(経費を引く前)で決まります。共有の物件は、物件全体の家賃で見ます。300万円までは35,000円(税込38,500円)です。給与所得とその他控除セット(社会保険料・扶養など)は、各6,000円(税込6,600円)です。お見積りには、申告書の作成と電子申告、必要書類のご案内が含まれます。追加料金が発生する場合は、必ず事前にご説明します。

通常料金での計算例です。会社員のAさんとBさんの家賃は、全体で年240万円です。300万円以下の区分です。消費税の申告と記帳代行はない前提です。1人目は32,000円+35,000円+6,000円+6,000円=79,000円(税別)です。税込では86,900円です。計算例は一定の前提を置いた目安です。

同時にご依頼いただく2人目の料金は、ご相談時にご案内します。ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。

物件が2つ以上ある場合は家賃収入の費用の記事を、依頼全体は依頼の流れの記事をご覧ください。

この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること

制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。

小松公認会計士・税理士事務所 代表 小松優馬 登録者6,900人超

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  • お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
  • 必要な書類のご案内から申告まで、まるごとお任せいただけます
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よくある質問(FAQ)

Q1. 家賃が夫の口座に入っていても、妻の分の申告は必要ですか?

口座の名義だけでは決まりません。共有の物件の家賃は、単なる名義人がいる場合などを除き、原則として持分の割合でそれぞれの所得になります。妻の所得が申告の基準に当たれば、妻も自分の確定申告書を出します。

Q2. 2人のうち1人だけ申告が必要なときも、頼めますか?

弊所は1人分の申告もお引き受けしています。共有の物件は原則として持分で分けて計算するので、物件全体の資料もお預かりします。申告が不要な人の住民税の申告は、市区町村に確かめてください。

Q3. 青色申告は、共有者の2人とも申請が必要ですか?

青色申告の承認は1人ずつ受けるので、青色申告にしたい人がそれぞれ申請します。期限は原則として、青色申告にしたい年の3月15日までです。その年の1月16日以後に新たに業務を始めた人は、始めた日から2か月以内です。

Q4. 親子で住所が違っても、まとめて頼めますか?

弊所は全国からオンラインでお引き受けしています。申告の提出先は、原則として1人ずつの住所地の税務署です。弊所が電子申告で提出するので、来所は不要です。

免責事項

本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法12条・15条・120条・121条・143条・144条、民法249条・253条、所得税基本通達12-1、国税庁タックスアンサーNo.2020「確定申告」・No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」、国税庁 確定申告書等作成コーナー「共有持分とは」、法務省「不動産登記のABC」、名古屋地方裁判所令和4年6月2日判決(税務訴訟資料第272号順号13724)と控訴審の名古屋高等裁判所令和4年11月15日判決(同順号13771・控訴棄却で確定)、国税不服審判所平成26年5月14日裁決、東京都主税局の固定資産税の案内、弊所の料金表の内容を扱っています。持分で分ける収入と経費の細目、借入金の名義や連帯債務と利息の経費、購入資金の負担と持分の違いによる贈与税、持分と異なる割合で家賃を分けている場合、年の途中で持分が変わった場合の計算、事業的規模の判定、青色申告特別控除の要件と令和9年分以後の見直し、赤字の損益通算、消費税の納税義務、民法上の組合や信託で持つ物件、相続で共有になった物件、確定申告が不要な人が医療費控除などで申告する場合、年金の人の基準の詳細、住民税の申告、共有の物件の家賃が300万円を超えるときの料金の計算は扱っていません。固定資産税の納税通知書の送り先は、市区町村によって異なることがあります。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の金額は家賃や控除の内容によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・出典

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共有の賃貸物件の家賃と経費は、原則として持分の割合で分け、申告が必要な人が1人ずつ申告書を出します。弊所が、物件の資料の集計から、減価償却費の計算、2人分の申告書の作成と電子申告までを担当します。全国どこからでもオンラインで完結します。料金は60秒見積りで確かめられますので、登記事項証明書で持分を確かめたうえで、ご依頼をご検討ください。

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小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。判例ベースの適正申告・節税にこだわり、お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者7,000人超)。

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