この記事のポイント
- 返礼品の経済的利益は、国税庁の質疑応答事例で一時所得とされています
- 特別控除の50万円は、返礼品と満期保険金などを1年分合計してから1回引きます
- 給与1か所・2,000万円以下の会社員で他が一時所得だけなら、2分の1の額が20万円超かで判定します
- 確定申告をする年はワンストップ特例の申請が無効になり、寄附金控除は申告で受けます
まず結論:返礼品は一時所得で、50万円の枠はほかの一時所得と共通です
ふるさと納税でもらう返礼品にも、所得税がかかる場合があります。
国税庁は、返礼品の経済的利益(品物を受け取って得をした分)を一時所得としています。
一時所得は、懸賞の賞金などと同じ区分の、一時の所得です(No.1490)。
寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。なお、その年中にこの特産品(3,000円程度)に係る一時所得のほかに一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。
(国税庁 質疑応答事例「『ふるさと納税』を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係」)
一時所得には、1年で最高50万円の特別控除(差し引ける枠)があります(所得税法34条3項)。
満期保険金などほかの一時所得がある年は、返礼品も合わせて50万円の枠と比べます。

返礼品が一時所得になるのは、自治体からの贈与と考えられるためです
国税庁は、返礼品を自治体(地方公共団体)からの贈与で受け取るものと考えています。
物でもらう利益も収入に含まれ(所得税法36条1項)、自治体は法人です(地方自治法2条1項)。
法人からの贈与で受ける金品は、一時所得の例に挙がっています(所得税基本通達34-1(5))。業務に関して受けるものと、継続的に受けるものは除かれます。
50万円は、返礼品と満期保険金などを1年分合計してから引きます
特別控除の50万円は、一時所得ごとではなく、1年分の合計から1回だけ引きます。
国税庁は、次のように案内しています。
他に一時所得に該当するものがある場合、全ての一時所得の収入金額の合計額から当該収入を得るために支出した金額の合計額を差し引いたあと、特別控除額(最高50万円)を差し引きます。
(国税庁「こんな収入の申告漏れにご注意」令和7年分 確定申告特集)
所得税の計算に入るのは、一時所得の金額の2分の1です(所得税法22条2項2号)。
保険料を負担した本人が一度に受け取る満期保険金は、原則として一時所得です(No.1903)。
満期保険金そのものの計算は、満期保険金と一時所得の記事で解説しています。
計算例
例:会社員が、令和8年中に満期保険金と返礼品を受け取った場合
返礼品を数えない 4,800,000円 - 4,100,000円 - 500,000円 = 200,000円 2分の1にした額 200,000円 × 1/2 = 100,000円(20万円以下) 返礼品を数える 4,800,000円 + 250,000円 - 4,100,000円 - 500,000円 = 450,000円 2分の1にした額 450,000円 × 1/2 = 225,000円(20万円超)満期保険金4,800,000円、払い込んだ保険料4,100,000円、返礼品の時価の合計250,000円は仮定です。給与は1か所・2,000万円以下で、年末調整を受けている前提です。ほかに所得はなく、返礼品から差し引く支出はないものとします。
金額は一定の前提を置いた目安です。
満期保険金で50万円の枠を使い切った年は、返礼品の分がそのまま一時所得に加わります。

会社員は「2分の1にした額」が20万円を超えるかで、申告の要否を見ます
給与1か所・2,000万円以下の会社員は、ほかの所得が20万円以下なら、所得税の申告は原則不要です。
給与の全部について、源泉徴収や年末調整を受けていることも要ります(所得税法121条1項1号)。
一時所得の数え方は、国税庁が次のように案内しています。
「給与所得および退職所得以外の所得金額」が満期保険金の受領などの一時所得のみの場合については、特別控除後の金額(一時所得の金額)を2分の1にした課税の対象となる金額が20万円を超えるかどうかにより、確定申告をする必要があるかどうかを判断します。
(国税庁タックスアンサー No.1903)
返礼品を数えるかどうかで、確定申告が必要かどうかが分かれる場合があります。
なお、確定申告をすれば税金が還付される人は、申告が必要な人から除かれています(No.1900)。
返礼品を「届いた年」の収入として数えた裁決があります
一時所得の収入の時期は、原則として支払を受けた日です(所得税基本通達36-13)。満期保険金は、支払を受けるべき事実が生じた日によります(同通達)。
国税不服審判所(税務署の処分への不服を審査する機関)は、返礼品の時期を判断しています。
令和4年2月7日の公表裁決は、返礼品が届いた日(または届いたと合理的に認められる日)の年分としました。
果物などの季節の品や年末の発送では、寄附した年と届く年がずれることがあるとも述べています。
この事案では、返礼品の価額は、自治体が調達に実際に支出した金額によるのが相当とされました。
注意
この事案では、税務署が寄附先の自治体に照会し、返礼品の品目・到着日・評価額などを把握していました。過少申告加算税の処分は、2年分とも適法とされました。
間違えやすいのは、次の4つの場面です
返礼品の扱いを誤ると、申告漏れや控除漏れにつながります。
- 満期保険金だけで20万円以下と判断する ― 返礼品を足すと20万円を超え、申告が必要になる場合があります(No.1903)。
- 50万円を返礼品と満期保険金で別々に引く ― 特別控除は1年分の合計から1回です(所得税法34条2項・3項)。一時所得を少なく申告することになります。
- 確定申告をするのに、ワンストップ特例で済むと考える ― 確定申告をすると、申請は無効になり、寄附金控除は申告で受けます(No.1155)。書き忘れたら、更正の請求(税額を減らすよう求める手続き)で直します。税額が変わらないときは、市区町村への相談になります。
- 翌年に届いた返礼品を、寄附した年で数える ― 裁決は、届いた日の年分としました。年をまたぐと、2年分の判定がずれます。
ワンストップ特例が無効になる場面は、ふるさと納税と確定申告の記事で詳しく扱っています。

ここまではご自身で、ここから先は個別判断です
年内にご自身で確かめられるのは、次の4つです。
- 令和8年分の満期保険金・懸賞の賞金などを書き出す
- 保険会社の支払通知書で、受取額と払い込んだ保険料を確かめる
- 返礼品ごとに、寄附先・品目・届いた日を記録する
- 収入の合計から保険料などと50万円を引き、2分の1にして20万円と比べる
4つめの比べ方は、給与が1か所(2,000万円以下)で、給与以外が一時所得だけの会社員の場合です。
返礼品の価額をいくらと見るかと、年をまたいだ返礼品の年分は個別判断です。
差し引ける支出があるか、年内にいくら寄附するかも、事実と所得の見込みで変わります。
給与以外の所得がある年の寄附の上限は、上限の見込み方の記事で解説しています。

税理士に頼むと変わるのは、一時所得の集計と申告の要否の判定です
小松公認会計士・税理士事務所では、次の作業を行います。
- 満期保険金・返礼品など、その年の一時所得の書き出しと合計
- 支払通知書や寄附の記録など、集める書類の一覧でのご案内
- 確定申告が必要かの判定と、その根拠のご説明
- 年内に寄附する前の、一時所得と申告の要否の見込み計算
- 寄附金控除を含めた申告書の作成と電子申告、控えのお渡し
全国どこからでも、オンラインで完結します。
料金の目安
基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。
計算例は、給与所得・一時所得・ふるさと納税・その他控除セットがある場合です。単価は、一時所得が7,000円、ほかの3つが各6,000円です。合計は32,000円+6,000円×3+7,000円=57,000円(税込62,700円)です。65,000円に満たないため、最低料金の65,000円(税込71,500円)になります。計算例は一定の前提を置いた目安です。
ご自身の料金は60秒見積りで確かめられます。
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よくある質問(FAQ)
Q1. ふるさと納税の返礼品を受け取ったら、必ず確定申告が必要ですか?
必ずではありません。返礼品は一時所得で、その年の一時所得の合計から特別控除の最高50万円を引きます(所得税法34条)。国税庁の質疑応答事例は、ほかに一時所得がない3,000円程度の特産品では、課税関係は生じないとしています。満期保険金などがある年は、合計して判定します。
Q2. 満期保険金と返礼品がある年は、50万円を2回引けますか?
引けません。特別控除は、その年の一時所得の収入を合計し、支出を引いたあとに1回だけ引きます(国税庁の確定申告特集)。満期保険金で50万円の枠を使い切った年は、返礼品の分がそのまま一時所得に加わります。所得税の計算に入るのは、その2分の1です(所得税法22条2項2号)。
Q3. 会社員です。返礼品と満期保険金があるとき、申告が要るかはどう見ますか?
給与が1か所で2,000万円以下、全部が源泉徴収や年末調整の対象で、給与以外が一時所得だけの場合です。一時所得の金額を2分の1にした額が20万円を超えるかで判定します(No.1903)。返礼品を数え忘れると、判定を誤ることがあります。
Q4. ワンストップ特例を申請しましたが、確定申告をする年はどうなりますか?
確定申告をする方は、ワンストップ特例の申請が無効になります(No.1155)。申請した分も含めて寄附金控除を計算し、確定申告で受けます。書き忘れたときは更正の請求で直せます。ただし、税額が変わらないときは更正の請求ができず、お住まいの市区町村への相談になります。
免責事項
本記事は令和8年10月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法22条2項2号・34条・36条1項・121条1項1号、地方自治法2条1項、所得税基本通達34-1(5)・36-13・121-6、国税庁の質疑応答事例「「ふるさと納税」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係」、タックスアンサーNo.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」・No.1490「一時所得」・No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」・No.1903「給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合」、国税庁「こんな収入の申告漏れにご注意」(令和7年分 確定申告特集)、国税不服審判所の令和4年2月7日裁決、弊所の料金表の内容を扱っています。返礼品の価額の一般的な算定方法と送料の扱い、返礼品について差し引ける支出の範囲、ポイントなど品物以外の返礼、一時所得の中で損失と利益を通算する計算、保険料の負担者と受取人が違う場合の贈与税、満期保険金を年金で受け取る場合、給与が2か所以上の方・年金受給者・事業所得者などの申告の要否、確定申告をする場合の20万円以下の所得の扱い、住民税の申告、ふるさと納税の控除額と上限の計算、ワンストップ特例の申請の手続、加算税・延滞税の率と額、法人が受ける返礼品は扱っていません。紹介した裁決は個別の事案についての判断です。記事中の計算例は一定の前提を置いた目安であり、実際の判定は所得や返礼品の内容によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- 国税庁 質疑応答事例「「ふるさと納税」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係」https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/37.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1903「給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1903.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm
- 国税不服審判所 公表裁決事例(令和4年2月7日裁決)https://www.kfs.go.jp/service/JP/126/02/index.html
- e-Gov法令検索「所得税法」(22条・34条・36条・121条)https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
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ふるさと納税の返礼品は、国税庁の質疑応答事例で一時所得とされています。満期保険金などほかの一時所得と合計して、特別控除の50万円を引きます。返礼品を数えるかどうかで、確定申告が必要かどうかが分かれる場合があります。代表税理士が、その年の一時所得の書き出しと合計、申告が必要かの判定、寄附金控除を含めた申告書の作成と電子申告まで担当します。全国どこからでもオンラインで完結します。年内に寄附する前の段階でご相談ください。
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