この記事のポイント
- 国内の取引所だけ・総平均法・前年末の残高が分かれば、報告書と国税庁の計算書で計算できる場合があります
- 海外の取引所・暗号資産そのものでの支払いや移動があると、履歴から計算を組み立てます
- 料金は基本料金に単価を足した額で、暗号資産は取引所数・通貨数で変わります
- 依頼前に取引所ごとの報告書と履歴、銀行の入出金、前年末の残高の記録をそろえます
まず結論:国内の取引所の報告書で足りるなら、ご自身で計算できる場合があります
国税庁は、暗号資産の売却などの利益は、原則として雑所得になり、確定申告が必要としています。
雑所得は、給与や事業など、ほかの9種類のどれにも当たらない所得です(所得税法35条1項)。
課税の仕組みは、暗号資産の確定申告の記事で解説しています。
国内の取引所の分は、取引所から届く年間取引報告書(1年分の売買をまとめた書類)が計算の土台です。
国税庁の計算書(総平均法用)に入れると、簡便に所得を計算できます(国税庁FAQ 2-8)。
頼むかの分かれ目は、報告書だけで計算の材料がそろうかどうかです。

ご自身で計算しやすいのは、4つの条件がそろうときです
報告書と計算書で進めやすいのは、次の4つがそろう場合です。
- 取引は、国内の暗号資産交換業者(取引所)だけ
- 評価方法(買った値段の平均の出し方)が総平均法(届出をしていない方を含む)
- 前年末の数量と金額が分かる(その年に始めた方を含む)
- 暗号資産そのものでの支払いや、ほかの口座・ウォレット(暗号資産の保管先)との移動がない
総平均法は、年初の保有分と年中の取得分を合わせて平均する方法です(所得税法施行令119条の2)。
国税庁は、年間取引報告書で計算するときは、総平均法用の計算書を使うよう案内しています。
前年以前から取引している方は、前年末の数量と金額を「年始残高」の欄に入れます(FAQ 2-8)。
ポイント
年間取引報告書は、国税庁が国内の交換業者に交付をお願いしている書類です(FAQ 2-7)。年始数量、1年間の購入と売却の数量と金額、年末数量、支払手数料などが載ります(FAQ 2-9)。
4つがそろう方は、ご自身で申告できる場合があります。
国税庁の作成コーナーなら、案内に沿って入力して作成・提出できます(タックスアンサーNo.2020)。
会社員は、給与・退職以外の所得が20万円以下なら、原則として所得税の申告は要りません。
給与が2,000万円以下で1か所から受け、全部が源泉徴収の対象の場合です(所得税法121条1項)。
20万円は、売却額ではなく所得で見ます。詳しくは副業の20万円ルールの記事へ。
補足
令和8年度改正で、特定暗号資産の譲渡を分けて課税する特例ができました(租税特別措置法38条の2)。適用は、金融商品取引法等の改正法の施行日が属する年の、翌年1月1日以後の譲渡です。この改正法の施行日は公布の令和8年7月23日以後のため、令和8年中の売却などは対象外です。根拠は所得税法等の改正法(令和8年法律第12号)の附則1条10号・39条1項です。適用時期は年末の売却の記事で解説しています。
年間取引報告書だけでは足りない場面が4つあります
次の場面では、取引の履歴から計算を組み立てるため、手間が増えます。
| 場面 | 報告書で足りない理由 | 確かめる資料 |
|---|---|---|
| 海外の取引所・個人間の取引 | 報告書は国内の交換業者へのお願いで、ほかは自分で確かめる(FAQ 2-7) | 取引の履歴、交換業者が公表する相場、銀行口座の入出金 |
| 暗号資産そのものでの支払い・口座の移動 | 国税庁が示す記載内容では、「移出数量」「移入数量」に数量だけが載る(FAQ 2-9) | 支払った時の価額、移す前の取得の記録 |
| 前年末の残高が分からない | 「年始残高」に入れる数字がない(FAQ 2-8) | 前年分の計算書、前年以前の履歴 |
| 移動平均法を届け出ている | 報告書で計算するときは総平均法用を使う(国税庁) | 取得のたびの数量と金額の記録 |
移動平均法は、取得するたびに平均の単価を出し直す方法です(所得税法施行令119条の2)。
暗号資産取引の収入金額が300万円を超える年は、所得の区分の判断が加わります(FAQ 2-2)。
帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、なければ原則として業務に係る雑所得です(同)。
ステーキングなどで受け取った暗号資産は、受け取った時の時価が収入になります(FAQ 1-7)。

「報告書だけで済む」と考えたときの5つの誤り
次の5つは、報告書と計算の決まりを取り違えたときに起きる誤りです。
- 取引所ごとに計算して足す ― 同じ通貨は、取引所をまたいで合わせて平均します(FAQ 2-8)。
- 暗号資産で支払った分を入れない ― 支払いも譲渡に当たり、所得の計算に入ります(FAQ 1-2)。
- 「年始残高」を空けたまま平均する ― 前年末の数量と金額を入れて計算します(FAQ 2-8)。
- 海外の取引所の分を抜いて申告する ― 海外分も、履歴などで価額を確かめて含めます(FAQ 2-7)。
- 記録を探さず、売却額の5%を取得価額(買値など)にする ― 5%は認められます(FAQ 2-7)。実際の取得価額のほうが大きければ、所得を多く申告することになります。
注意
評価方法は、暗号資産の種類ごとに選びます(所得税法施行令119条の3第1項)。届出の期限は、その種類を初めて取得した年分の確定申告期限です(同条2項)。届出がなければ総平均法です(同令119条の5第1項)。
どの誤りも、履歴をそろえた段階で確かめられます。
ここまではご自身で、ここから先は個別判断です
依頼の前に、ご自身でそろえられるのは次の6つです。
- 使っている取引所とウォレットを、海外の分も含めてすべて書き出す
- 国内の取引所ごとに、令和8年分の年間取引報告書を受け取る
- 海外の取引所とウォレットの取引履歴を、1月から12月まで保存する
- 購入と売却に使った銀行口座の入出金の記録をそろえる
- 前年分の計算書や申告書の控えで、前年末の数量と金額を確かめる
- 評価方法の届出書を出したかを確かめる
報告書が手元にない場合は、交換業者に再交付を依頼します(FAQ 2-7)。
海外の取引の価額の確かめ方、所得の区分、評価方法の扱いは個別判断です。
税理士に頼むと変わるのは、履歴の突き合わせと計算の根拠です
小松公認会計士・税理士事務所では、暗号資産の申告で次の作業を行います。
- 取引所・ウォレットごとに、集める報告書と履歴の一覧でのご案内
- 年間取引報告書と取引履歴の突き合わせ(移入・移出の確認)
- 通貨の種類ごとの取得価額の計算と、前年末の残高の確認
- 評価方法の届出と、所得の区分の確認
- 給与などと合わせた確定申告書の作成と電子申告、計算の明細と控えのお渡し
申告書は、代表(公認会計士・税理士)が最初から最後まで作成します。
来所不要で、全国どこからでもオンラインで完結します。

料金と依頼の流れ:60秒見積りで「暗号資産」を選びます
弊所の料金表では、暗号資産の料金は取引所数・通貨数により変わります。
取引所が増えると、集める報告書と履歴が増えます。通貨が増えると、種類ごとの計算が増えます。
- 60秒見積りで「暗号資産」と、ほかの所得・控除を選んで送る
- 2日以内に、代表から正式なお見積りとご説明がメールで届く
- 20分ほどのご相談で、取引所と通貨の数などを確かめる(Web会議・お電話・メール)
- ご納得のうえご契約となり、必要書類のご案内が届く
必要書類がそろってから完了まで、通常2〜3週間程度が目安です。
料金の目安
基本料金32,000円(税込35,200円)に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額が料金です。個人の確定申告は最低料金65,000円(税別・税込71,500円)からお引き受けしています。
暗号資産(雑所得)の単価は60,000円〜(税込66,000円〜)です。取引所数・通貨数により変わり、「〜」の部分はご相談時にお見積りします。
給与所得は6,000円(税込6,600円)です。その他控除セット(社会保険料・生命保険料・扶養など)も6,000円(税込6,600円)です。株式・FXによる所得は、売却額3,000万円まで一律29,000円(税込31,900円)です。
お見積りには、申告書の作成と電子申告、必要書類のご案内が含まれます。追加料金が発生する場合は、必ず事前にご説明します。複数年分のご依頼は、60秒見積りに含まれません。
暗号資産の単価に「〜」が付くため、合計は正式なお見積りでお伝えします。ご自身の料金の目安は60秒見積りで確かめられます。
この論点で小松公認会計士・税理士事務所ができること
制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。
登録者6,900人超
小松公認会計士・税理士事務所 代表
小松 優馬公認会計士・税理士
- お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
- 必要な書類のご案内から申告まで、まるごとお任せいただけます
- 料金は先にお見積り。全国どこでも、オンラインで完結できます
YouTube「税理士 小松ゆうまチャンネル」(登録者6,900人超)で、税金の話を分かりやすく解説しています。動画を見てみる
初回相談は無料です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 暗号資産の確定申告は、税理士に頼まずに自分でできますか?
国内の取引所だけで総平均法を使い、前年末の残高が分かる方は、ご自身で計算できる場合があります。年間取引報告書を国税庁の計算書に入れる方法です(FAQ 2-8)。海外の取引所・個人間の取引・支払いや移動がある年は、履歴から計算するため、依頼をご検討ください。
Q2. 暗号資産の申告を頼むと、料金は何で変わりますか?
基本料金に、当てはまる所得・控除ごとの単価を足した額です。暗号資産の単価は取引所数・通貨数により変わります。変わる部分は、ご相談時にお見積りします。個人の確定申告には最低料金があります。金額はこの記事の「料金の目安」と60秒見積りでご確認ください。
Q3. 依頼の前に、どんな履歴をそろえればよいですか?
国内の取引所ごとの年間取引報告書と、海外の取引所・ウォレットの取引履歴が中心です。売買に使った銀行口座の入出金の記録もそろえます。前年以前から取引している方は、前年末の数量と金額が分かる記録も用意します(FAQ 2-8)。評価方法の届出書の控えも、あれば添えます。
Q4. 年間取引報告書が見当たりません。どうすればよいですか?
国税庁は、国内の暗号資産交換業者に年間取引報告書の交付をお願いしています(FAQ 2-7)。手元にない場合は、交換業者に再交付を依頼します。海外の交換業者や個人間の取引は、履歴と交換業者が公表する相場などで価額を確かめます。
免責事項
本記事は令和8年11月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。所得税法35条1項・121条1項、所得税法施行令119条の2第1項・119条の3第1項・2項・119条の5第1項、令和8年法律第12号による改正後の租税特別措置法38条の2、令和8年法律第12号の附則1条10号・11号・39条1項、令和8年法律第64号の附則1条、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和7年12月最終改訂)1-2・1-7・2-2・2-7・2-8・2-9、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和7年12月)」、国税庁の手続案内A1-20「所得税の暗号資産の評価方法の届出手続」、タックスアンサーNo.2020「確定申告」、弊所の料金表の内容を扱っています。総平均法・移動平均法による具体的な計算、必要経費と手数料の範囲、移入・移出があるときの計算方法、評価方法の変更の手続、事業所得・業務に係る雑所得になる場合の判定と扱い、マイニング・ステーキング・レンディングの収入と経費の計算の細目、分裂・寄附・低額譲渡・証拠金取引・信用取引・NFTの扱い、海外の取引所や個人間取引の価額の確かめ方の細目、所得税法121条1項ただし書と2か所以上から給与を受ける方の扱い、還付申告、住民税の申告、税率と税額の計算、損失の扱い、特定暗号資産の範囲と分離課税の計算・開始年・取引業者の報告書制度、暗号資産の譲渡による所得を譲渡所得に加える所得税法33条の改正、令和8年分の確定申告期間の日付、過去の年分の申告の直し方、加算税・延滞税、相続・贈与、法人の暗号資産、財産債務調書・国外財産調書は扱っていません。記事中の料金は弊所の料金表に基づく目安であり、実際の料金は取引所数・通貨数や所得・控除の内容によって変わります。具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。
参考資料・出典
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和7年12月)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/index.htm
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月26日・FAQ)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
- 国税庁「A1-20 所得税の暗号資産の評価方法の届出手続」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/21kasou.htm
- e-Gov法令検索「所得税法施行令」(119条の2・119条の3・119条の5)https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096
- e-Gov法令検索「所得税法」(35条・121条)https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
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