確定申告

確定申告が期限に間に合わないときの対処法
今からできること・やってはいけないこと

小松優馬

小松 優馬

公認会計士(登録番号43196)・税理士(登録番号151214)

監査法人での上場企業監査・上場準備CFO経験を経て独立。港区浜松町で個人・法人の税務をサポート。YouTubeチャンネル「公認会計士・税理士 小松ゆうま」運営。

YouTubeチャンネルを見る →

この記事のポイント

  • 取るべき行動は「1日でも早く提出する」の一点です
  • 1か月以内に自主申告・全額納付なら無申告加算税はかかりません
  • 調査を受けた後の申告は135,000円と3倍以上に膨らみます
  • 期限後申告は青色申告特別控除が10万円に下がります

まず結論:「1日でも早く出す」が最も損の小さい道です

期限に間に合わないとき取るべき行動は、完璧な申告書を目指すことではありません。1日でも早く提出することです。

確定申告は翌年2月16日から3月15日までに行います。期限後に出す「期限後申告」には、無申告加算税と延滞税の上乗せがかかり、その重さは「いつ出したか」で大きく変わります。

期限が迫る時計と書類
期限に間に合いそうになくても打てる手はあります

期限後申告の上乗せは3段階で重くなります

無申告加算税

無申告加算税は、期限内に申告しなかったことへの上乗せです。割合は「いつ申告したか」で変わります(令和6年1月1日以後に法定申告期限が来るもの=令和5年分以降の区分)。

申告のタイミング無申告加算税の割合
調査の事前通知の前に自主的に期限後申告5%
調査の事前通知の後、調査による決定を予知する前の期限後申告50万円までの部分10%/50万円超300万円までの部分15%/300万円超の部分25%
調査を受けた後の期限後申告、または税務署から決定を受けた場合50万円までの部分15%/50万円超300万円までの部分20%/300万円超の部分30%

前年・前々年も無申告加算税等を課されていれば、納める税金の10%分が追加されます。

延滞税

延滞税は納付の遅れに対する利息です。期限後申告では申告書提出日が納期限になり、法定納期限の翌日から納付日までの延滞税も納めます。

延滞税の割合は年ごとに見直され、令和8年1月1日から令和8年12月31日は2か月までが年2.8%、それ以後は年9.1%です(令和4年〜7年は年2.4%・8.7%)。かかるのは本税だけです。

数字のイメージ:自主申告と調査後の差

次の前提で比べてみます。

  • 令和7年分の所得税。納付すべき税額は 800,000円
  • 法定申告期限・法定納期限は令和8年3月16日(令和8年3月15日が日曜日のため)
  • 令和8年8月31日に期限後申告書を提出し、同日に全額を納付
項目調査の事前通知前に自主申告事前通知後(予知前)調査を受けた後
無申告加算税40,000円95,000円135,000円
延滞税(168日・年2.8%)10,300円10,300円10,300円
本税以外の負担 合計50,300円105,300円145,300円

延滞税は800,000円×2.8%×168日÷365日=10,313円(100円未満切り捨てで10,300円)。提出日と納付日が同じなので全期間2.8%の区分です。

注意

提出だけして納付を遅らせると、2か月を過ぎた後は年9.1%に跳ね上がります。

自分から申告するか、調査を受けてから申告するか。それだけで負担は50,300円と145,300円、約2.9倍の差になります。税務署から連絡が来る前に動けば避けられます。

無申告加算税がかからない場合があります

期限後申告でも、次の要件をすべて満たせば無申告加算税はかかりません。

  • 法定申告期限から1か月以内に、自分から申告していること
  • 期限内に申告する意思があったと認められること(全額を法定納期限までに納付し、過去5年に無申告加算税等を課されたことがないこと)

ポイント

鍵は「1か月以内」と「全額納付」です。期限を過ぎた方が最初に目指すラインはここです(延滞税は日数分かかります)。

落ち着いて申告作業を進める様子
まず申告書の提出を優先し、納税の相談はその後でもできます

期限に遅れて「失うもの」は、上乗せの税金だけではありません

1. 青色申告特別控除が10万円に下がります

55万円・65万円の青色申告特別控除は、貸借対照表・損益計算書を付けた申告書を期限までに提出することが条件です(還付申告も同じ)。

期限を1日過ぎただけで、控除額は10万円になります。税率が各10%の方なら、65万円と10万円の差55万円で、およそ11万円の負担増です。

2. 振替納税が使えません

振替納税(口座振替)は期限内提出分が対象で、期限後・修正申告には使えません。

3. 特例が使えなくなることがあります

譲渡所得の特例など、提出期限が条件の制度は、過ぎるとその年は使えません。「税額ゼロだから急がなくてよい」という判断は危険です。

間に合わないときの現実的な3つの選択肢

選択肢1:概算でもよいので期限内に提出する

分かる範囲で期限内に提出すれば、青色申告特別控除も振替納税も守れます。後で違いが分かれば、多すぎは「更正の請求」、少なすぎは「修正申告」で直せます。ただしわざと少なく見積もってはいけません。根拠のある概算が前提です。

選択肢2:期限を過ぎていても、すぐに提出する

期限を過ぎている場合は、まず1か月以内の提出と全額納付を目指し、それも過ぎたら調査の事前通知が来る前の自主提出が目標です。

選択肢3:申告書より先に納付だけ済ませる

延滞税は本税への日数計算です。資金があれば概算額を先に納めれば延滞税の増加を抑えられます。納めすぎた分は申告後に戻ります。

確定申告の相談窓口
確定申告の相談窓口

やってはいけないこと

  • 放置する――延滞税は増え続け、調査後の申告は加算税が最も重くなります。
  • 収入の一部を除いて提出する――仮装隠蔽として重加算税の対象になり得ます。当事務所は金額の大小を問わずお受けしません。
  • 連絡が来ていないから「知られていない」と考える――支払調書、法定調書、登記情報など、税務署が把握する経路は複数あります。
  • 1年分だけ出して残りを放置する――複数年の無申告があれば他の年分の問題は残ります。全体の見通しを立ててから着手を。

あわせて読みたい

よくある質問(FAQ)

Q1. 期限を過ぎてしまいました。今からでも青色申告特別控除65万円は使えますか?

使えません。55万円・65万円の青色申告特別控除は、期限までに貸借対照表・損益計算書を付けた申告書を出すことが条件です(タックスアンサーNo.2072)。期限後は控除10万円になりますが、青色申告の承認は取り消されません。

Q2. 税額が0円または還付になる場合でも急ぐ必要はありますか?

急ぐ必要があります。無申告加算税は問題になりませんが、期限内提出が条件の特例は多く、過ぎるとその年は使えません。還付申告でも青色申告特別控除には期限内提出が必要です。

Q3. 資料がそろっていなくても、とりあえず提出してよいのでしょうか?

根拠のある概算で期限内に提出するのは実務上あり得る対応です。違いが分かれば、多すぎは更正の請求、少なすぎは修正申告で直します。わざと少なく見積もることは認められません。事前にご相談ください。

Q4. 何年も申告していません。どこから手をつければよいですか?

まず何年分の申告が残っているかを確認し、年分ごとに所得資料を集め税額と加算税・延滞税を試算します。一部だけ出しても他の年分の問題は残るため、全体像をつかんでから動く方が負担は小さくなります。

免責事項

本記事は令和8年8月時点の法令・国税庁公表資料に基づく一般的な解説です。記事中の加算税・延滞税の金額は前提を置いた試算であり、実際の金額は納付すべき税額、提出日・納付日、過去の加算税の賦課状況、端数処理によって変わります。延滞税の割合は年ごとに告示されるため、令和9年以後の期間については最新の国税庁公表資料をご確認ください。具体的な事案については必ず税理士にご相談ください。本記事の情報を利用したことによる損害について、当事務所は責任を負いかねます。

参考資料・判例出典

この記事のお悩みは、小松公認会計士・税理士事務所にご相談ください

制度は複雑ですが、お客様がすべてを理解する必要はありません。難しいことは、専門家にお任せください。

小松公認会計士・税理士事務所 代表 小松優馬 登録者6,900人超

小松公認会計士・税理士事務所 代表

小松 優馬公認会計士・税理士

  • お話を伺って、「あなたの場合はどうなるか」をはっきりお答えします
  • 必要な書類のご案内から申告まで、まるごとお任せいただけます
  • 料金は先にお見積り。全国どこでも、オンラインで完結できます

YouTube「税理士 小松ゆうまチャンネル」(登録者6,900人超)で、税金の話を分かりやすく解説しています。動画を見てみる

初回相談は無料です。相談だけで終えていただいて構いません。

間に合わないと分かった時点で、ご連絡ください

期限に間に合わないこと自体は、めずらしいことではありません。問題は、そこから何日で提出できるかです。資料が半分しかそろっていない、何年分あるか分からない、という状態でも構いません。負担を最小にする順序を、代表税理士が直接ご説明します。

確定申告サポートの詳細を見る 無料相談を申し込む 約60秒で料金を自動見積り

小松 優馬

公認会計士・税理士/元監査法人

大手監査法人にて上場企業の監査業務に従事。税務の専門性を高めるため独立。お客様の人生設計を支える税務パートナーとして活動中。YouTubeチャンネル「税理士 小松ゆうま」では税務情報を発信中(登録者6,500人超)。

関連記事

期限後申告の料金
令和8年分 確定申告 お引き受け開始中

期限後申告の料金を約60秒で確認

所得の種類と規模を選ぶだけ。今なら全項目10%OFF後の特価がその場で分かります

個人 60秒見積り

確定申告の期限に関するご相談

初回相談は無料です。代表が直接ご対応します。

確定申告サポートの詳細を見る
法人60秒見積り 個人60秒見積り